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2008/12/16

2008・冬、台北映画レポート2

1215台北での映画鑑賞レポートVol.2は、西門町の端の方にある樂聲戲院での「一八九五」と「一半海水 一半火焔」です。
平日のお昼過ぎでしたが、「一八九五」は観客はなんと私一人。香港でも台湾でもかなり少ない人数で見ることは多いものの、オオンリー・ワンは始めてでした。
しかし、この映画、純台湾映画としてはスタートから6週トップの座を譲らなかったヒット作なのです。

121518952「一八九五」は、台湾が1895年に清国から日本に割譲される際の住民による抵抗運動をテーマにした映画で、主な舞台は新竹や苗栗など、客家人による抵抗運動の様子が描かれています。高雄市政府がチケットの半額負担をしているほか、苗栗県政府も鑑賞を推薦しているということで、いま、台湾全体が“自分たちの映画を見よう”というムードになっているひとつの典型です。
6月の台北電影節の頃から関係者の間では話題になっていて、夏にゲストに来てくれた許安安も、この映画についてはかなり熱く語ってくれていました。
抵抗運動を支える客家(はっか)人の家族愛がメインテーマになっており、日本統治時代とはいえ、台湾で活躍する貴島功一朗分する軍医の森鴎外が戦争の悲惨さを自戒する日記文が効果的に挿入されていたり、かなり日本人が好意的に描かれています。
監督は洪智育。学生時代に学生運動や天安門事件を批判した自主映画を作っていた人で、侯孝賢らに師事し2000年に「純屬意外」で監督デビュー、その後戴立忍「台北晩九朝五」や今年台湾シネマコレクションで上映された「遠い道のり」の助監督をつとめ、今年二本目の監督作品「一八九五」を発表しました。
主演は抵抗運動のリーダーに温昇豪、その妻が楊謹華(シェリル・ヤン)。「ザ・ホスピタル」のマー記者というと、ドラマファンの方は顔が浮かぶのではないでしょうか。

1215oceanflame2「一半海水 一半火焔」は、香港の任達華(サイモン・ヤム)初プロデュースの作品で、大陸の監督の劉奮鬥(リウ・フェンドウ)、「戦場のレクイエム」にも出ている廖凡(リアオ・ファン)と新人の莫小奇(モー・シャオチー)を主演を起用しています。
美人局をしのぎとしている暴力的で身勝手な男を愛してしまったヒロインの愛憎を、莫小奇(モー・シャオチー)が体当たりの演技で見せています。ふてぶてしい面構えの廖凡(リアオ・ファン)の存在感も秀逸で、キム・ギドク作品のように見る者をグイグイと引っ張る、力のある映画です。
莫小奇(モー・シャオチー)に、キム・ギドクの作品のようだと言うと、「みんな、そう言います。」と笑っていました。
劉奮鬥(リウ・フェンドウ)監督は、「スパイシー・ラブ・スープ」などで知られる鬼才脚本家。監督デビュー作の「緑帽子」は、トライベッカ映画祭グランプリに輝き、第1回アジア海洋映画祭で上映されました。
任達華(サイモン・ヤム)ももちろん出演していて、林雪 (ラム・シュー)、許紹雄(ホイ・シウホン)、梁家仁(リョン・カーヤン)などを見て、始めてこれが香港映画であるということを思い出します。
金馬奨では受賞できませんでしたが、作品、主演男優、主演女優、撮影、美術の5部門でノミネートされていました。
しかし、これは、香港では当たらないだろあなぁ。(^o^)
それでも、こういう作品を世に送り出す任達華(サイモン・ヤム)には拍手を贈ります。

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