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2010/07/18

2010台北電影節閉幕

0717forth2010年の台北電影奨については先日お伝えしましたが、今年の台北電影節は7月15日のクロージング作品「酷馬」のワールドプレミア上映をもって幕を閉じました。
授賞式では、オープニング作品である鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の「第四張畫」が最優秀長編劇映画に選ばれ、11才の畢曉海(ビー・シャオハイ)が歴代最年少の受賞で話題になりました。
授賞式では、鍾孟宏(チョン・モンホン)監督が北京で撮影の為出席できなかったので、助演の納豆が代わりにトロフィーを受け取り、受賞のコメントを発表しました。
畢曉海(ビー・シャオハイ)くんはとてもクールで、受賞のコメントは紙に書いたものを落ち着いて読んでいました。

0717forth2この「第四張畫」は、私が見た長編劇映画部門の中でも一番好きな作品なので、受賞の時は本当にうれしく思いました。
そもそも一昨年の「停車」を見て惚れ込み、大阪アジア映画祭で上映されると共に鍾孟宏(チョン・モンホン)監督が来日するということで、大阪へ飛びインタビューしました。そして、昨年の台北電影節の時に監督から『次の作品を撮るよ』といううれしい言葉、台湾金馬奨の時には戴立忍(ダイ・リーレン)から『このヒゲは鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の新作のため』と聞いて、期待がふくらんでいました。
その期待を裏切ることのない傑作「第四張畫」は、日本語にすると「4枚目の絵」というタイトルです。父親とふたり暮らしの少年が、父親の死をきっかけに、別れた母親の元へ引き取られることになり、そこでの継父や年上の友達との出会いによる彼の内面を描いていく内容です。キーワードとなる絵は、一枚目が死んだ父親の顔、二枚目が友達のイメージ、三枚目が夢に出てきた兄、という風に少年の心象風景を表しています。四枚目は学校で課題として出された自画像なのですが、これは実際に映画の中には出てきません。これが、鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の演出意図となっています。
観客とのQ&Aで、戴立忍(ダイ・リーレン)が『「停車」は大人のブラックな童話、この作品は子供のブラックな童話』と言っていますが、とてもわかりやすい表現だと思いました。
家庭内暴力という社会問題を含んだ作品ですが、優れたサスペンスでもあり、色彩と映像の素晴らしさ、よく練られた脚本、俳優それぞれの好演、そして鍾孟宏(チョン・モンホン)監督ならではのユーモアも織り込まれた演出の冴え・・・見事な出来だと思います。
監督が北京から戻ったら、ぜひインタビューをしたいと思っています。

0717chen脚本賞と助演女優賞を撮った「父後七日」は、突然亡くなった父親の死で、葬式の準備から事後処理までの7日間の家族や親戚、知人たちの人間模様を描いた作品です。台湾では日本の「おくりびと」と対比されていますが、むしろ伊丹十三監督の「お葬式」の方が近いと思います。台湾の農村における伝統的な葬儀と文化、親子・兄弟の情などが暖かい視線で描かれ、ほんどが台湾語でユーモアたっぷりに展開されます。
助演女優賞に輝いた張詩盈(チェン・シーイン)は、舞台出身で監督もすれば脚本も書く、更に映画やテレビ、アイドルドラマにも出るという幅広い活躍をしています。

0717monga今回、最も期待されていた「艋舺」は、李烈(リー・リエ)プロデューサーをはじめ鈕承澤(ニウ・チェンザー)監督、キャストの趙又廷(マーク・チャオ)、阮經天(イーサン・ルアン)、柯佳堞(クー・ジャーイン)、馬如龍(マー・ルーロン)など大挙して授賞式に臨んだものの、美術賞のみの受賞となり、かなりがっかりしているのではないかと思います。
開会前のフォトセッションでは、通常全員で撮った後、スタッフが退いてキャストだけを撮るのですが、この時にちょっと不満げな鈕承澤(ニウ・チェンザー)監督の表情を見逃しませんでした。(^o^) でも、さすがにこちらのカメラマンたちもわかっていらっしゃる・・・最後に監督ひとりをオファーしたので、ご機嫌な顔でカメラに向かっていました。
「艋舺」のプレミアレポートは、こちらです。

0717yanrei監督賞を受賞した「眼涙」は、ベテランの鄭文堂(チェン・ウェンタン)監督による社会派作品。
暗い過去を持つ正義感の強い警察官と、檳榔売りの女性が色々な事件に関わり、人間の光と影、組織の裏表などが描かれていきます。主演は蔡振南(ツァイ・チェンナン)と監督の愛娘の鄭宜農(ENNO)、他に黄健瑋(ホアン・ ジンウェイ)、莫子儀(モー・ズーイ)も出ています。これまでも出身地の高雄を舞台にした映画が多かったのですが、これもそうです。しかし、今度宜蘭縣政府文化局長に就任することになったので、しばらくは新作が見られないでしょうね。
余談ですが、映画祭が行われている西門町で黄健瑋(ホアン・ ジンウェイ)とすれ違いました。普通にそのまま歩いていたのに、“あっ!”と思ったのは私だけだったみたいです。(>_<)去年インタビューもしているのでもうちょっと言葉ができれば声をかけたかったのに・・・残念。

071736story観客賞と、雷光夏(レイ・グァンシャー)侯志堅(ホー・ジージャン)が音楽賞を獲得した「第36個故事」は、桂綸鎂(グイ・ルンメイ)主演のおしゃれな“雰囲気の映画”です。念願叶って、シンプルだけど優雅でコーヒーの香りが漂うカフェをオープンした主人公と、世界を旅している張翰(チャン・ハン)をはじめ、そこに集まる人々が展開するストーリー。私の周りでも、普段あまり台湾映画を見ない若い女性が“すごく良かった!”と言っていましたので、等身大のヒロインが多くの共感を得たということでしょう。
このプレミアの記事を「華流エンタメ応援団」に書いていますので、ご覧下さい。

0717kumaクロージング作品「酷馬」は、発売開始と同時にSold-outになってしまったため、私も見ることができませんでした。監督は1994年の「熱帯魚」でデビューした王小棣(ワン・シャオディー)。テレビドラマの「波麗士大人(ポリス)」の演出、今年秋に日本でも放送される「我在墾丁*天氣晴」の脚本などで知られる、男前の女性監督です。新人を育てることでも有名で、今回の「酷馬」でも、マラソンの熱血コーチを演じる藍正龍(ラン・ジェンロン)他は、期待の美少年、黄遠(ホァン・ユエン)鄭靚歆(ジェン・ジンシン)らがずらり。

0717shinsa最後に、審査員は、ベテラン女優で監督もつとめる張艾嘉(シルビア・チャン)、「薔薇之恋〜薔薇のために」「イタズラなKiss〜惡作劇之吻」などの人気ドラマの監督でお馴染みの瞿友寧(チュウ・ヨウニン)ほか。
ちなみに瞿友寧(チュウ・ヨウニン)は、楊德昌(エドワード・ヤン)監督の名作「牯嶺街少年殺人事件」の助監督を務めたり、自身の監督作もある“映画監督”です。

おまけ画像は、温昇豪(ウェン・シェンハオ/ジェームズ・ウェン)と北川景子。
温昇豪(ウェン・シェンハオ/ジェームズ・ウェン)は、ドラマ「敗犬女王」でブレイクし、現在日本でもBSジャパンで放送中の「P.S.男」のメインキャストです。
北川景子は、今回台湾で公開される「瞬」のプロモーションと併せて台北電影節のプレゼンターとして来日。授賞式でも外に大勢のファンが詰めかけ、たいへんな人気でした。来日時に、丁度台湾のテレビで「ブザー・ビート」の最終回が放送された時だったので、その効果も大きかったのでしょう。

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★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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