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2011/10/31

東京国際映画祭「転山」Q&A

1031kara1 第24回東京国際映画祭は10月30日に閉幕しましたが、ここで最優秀芸術貢献賞を受賞したのが中国映画「転山」。
10月27日、この「転山」上映後、Q&Aが行われました。この日は会見、個別インタビュー、とずうっと「転山」取材をしていたのですが、ここでは締めのQ&Aの模様をお伝えします。
この作品は台北出身の青年が、兄の遺志を継ぐべく中国本土に渡り、自転車でチベットのラサを目指すロードムービーです。出会いと別れ、自然との闘い、そして自分との葛藤を繰り返し、青年は目的地へ向かいます。過酷な通過儀礼を迫力の映像で描く、青春の成長物語。原作は台湾の大学生が書いたもので、主人公を台湾の期待の俳優張書豪(チャン・シューハオ)が演じています。

1031kara2 ほぼ満席のTOHOシネマズ六本木の一番大きなScreen7に、プロデューサーのニーナ・ハン、杜家毅(ドゥ・ジャーイー)監督、主演の張書豪(チャン・シューハオ)、女優の李桃(リー・タオ)が登壇。数日前にバイクの事故で負傷した杜家毅(ドゥ・ジャーイー)監督は、怪我を押して来日、松葉杖で登場しました。
「先ほどの大きな拍手で、もう賞をもらったような気分です。」
そして、この前日に来日した張書豪(チャン・シューハオ)は、日本語で
「皆さんこんばんは。私はチャン・シューハオです。どうぞよろしくお願いします。」とご挨拶。
劇中で主人公と出会う若い未亡人役を演じた李桃(リー・タオ)は、
「初めて東京に来ました。私はここが大好きです。みなさんもこの映画を好きになってくれるとうれしいです。」
最後は、プロデューサーのニーナ・ハン、
「皆さん、こんなに沢山の方が上映後に残って下さってうれしいです。映画を作った時の苦労も、これで価値があったのだと思いました。」

1031kara3 そして、観客との質疑応答です。
Q:英語タイトルの「KORA」はどういう意味ですか。
監督:サンスクリット語で「巡礼」という意味。
Q:撮影中大変だったことは?そして映画の最後のメイキング映像で誕生日祝いをしていたのは?
張書豪:撮影していた所が海抜が高く、寒かったことです。そして監督が僕をいじめ抜いたこと。(笑い)日に日に過酷さを増して、それがたいへんでした。崖から落ちる場面が一番危険だったのですが、監督に申し出て本当に僕自身で落ちました。
誕生祝いはカメラマンだったのですが、スタッフの誰かが誕生日を迎えれば、みんなで祝います。ちなみに、僕の誕生日はこの東京国際映画祭の開幕日でした。(場内大拍手)
監督:ラサまでの自転車での行程は、彼が本当に走り、僕は横からそれを見ていました。(笑い)
張書豪:僕が自転車にだんだん慣れてきて、最後は麓から頂上まで2時間本当に走ったのですが、監督達は車のサァーっと上がって行って待っていました。

1031kara4 Q:自転車は何台使ったのですか。
監督:全部で4台使った。1台は本当に使い込んだので、彼と一緒に休ませてあげたい。
Q:山の頂上で捲く色とりどりの紙の意味は?
監督:チベット民族の独特の信仰で、“風馬紙”という青、赤、黄、緑、白の五色の紙で、それぞれ意味があって青は空、白は雲を表している。それを一番高いところで天上に向かって投げると、まるでWiFiのように神様とコンタクトができて、願いを叶えてくれると言われているのです。
Q:(映画では描かれていないが)主人公は台湾で自転車の訓練をしたのですか?
監督:簡単な訓練はしたと思うけど、主に心の訓練をした(という設定)。
Q:地元の人が作るバタークッキーがおいしそうでしたが、食べてみての感想を。
監督:一個だけだととても美味しいけど、張書豪(チャン・シューハオ)には5個食べさせたので、美味しくなかったかも。
張書豪:バサバサしていて、しつこい味でした。

1031kara5 Q:中国の新聞報道によると、撮影中、監督が彼を孤立させたということですが、なぜ?
監督:その通り。わざと孤立させてスタッフにも共演者にも話しかけるなと言った。仏教の教えに、自分と向き合うとそこに力が生まれる、というのがある。私は彼がそういう力を出すところを描きたかったのでそういう風にした。彼は今でも恨んでいるでしょう。
張書豪:僕はもともと外向的な性格で、人と話すのが大好き。今回監督がそういう風にしたので、ご飯食べる時もみんなと一緒に交わることができなくて、一人部屋に戻らならければならず、気が狂いそうでした。
Q:主人公は、兄の遺志を継いでチベットへの自転車走破を成し遂げたことで、兄の死を受け止め、心の平安以外に得たものがあったのですか?
監督:人間というのはそう簡単に変われるものではないと思う。ただ、その過程を経験をしたことで何か得たものはある。主人公にとっては、兄を亡くした喪失感は消えないけれど、台湾に戻って一筋の光明は見えたと思う。主人公は常に死に向き合う恐怖を感じていたけれど、それに打ち勝ったときに希望を得たのではないか。
Q:過酷な自転車の旅は、もう二度としたくないですか?
張書豪:自転車は嫌になっていませんよ。ただ、チベットは自然が素晴らしいけど、もう自転車で行くのは・・・(苦笑)でも、友達にもチベットは良かったよ、と言います。

1031kara6 「転山」は、チベットの自然の映像の素晴らしさ、そしてドラマとしても素晴らしい出来の作品だと思います。東京国際映画祭がワールドプレミアとなりましたが、この後11月に中国で公開、台湾では金馬影展での上映後、12月に一般公開となります。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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