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2012/06/18

台湾映画「五月の恋」のロケ地三義

0618sanyi1少し前になりますが、2004年の台湾・中国合作映画「五月の恋」のロケ地である三義に行って来ました。映画で見た油桐花の咲く季節に、以前から行きたいと思っていたところです。
この油桐花の見頃は日本の桜と同じように短く、南部から北上するので、各地で大きなキャンペーンを行い観光客を誘致しています。
台北からは高鐵(新幹線)か急行で南下、「苗栗」で普通列車に乗り換えて「三義」へ行きます。所要時間は約2時間半。油桐花の季節の週末には「三義」駅から循環バスがでているので、観光スポットを巡るのにも便利です。私は鉄道で「三義」まで行き、そこからは友人の車で目指すロケ地へ向かいました。

0618wuyueまず、映画「五月の恋」についてご紹介しておきましょう。
人気バンド五月天(メイデイ)のメンバーを兄に持つ大学生の陳柏霖(チェン・ボーリン)は、やることも中途半端で劣等感を抱く毎日。
ある日、五月天ファンの少女劉亦菲 (リュウ・イフェイ)とチャットで知り合い、自分は五月天の阿信(アシン)だと嘘をついてしまいます。
少女はハルピンで京劇を学ぶ学生。文化交流団の一員に選ばれたことで、憧れの台湾訪問が実現します。少女から会いたいと言われ戸惑い、勇気がない彼は、約束の場所に現れた少女を影から見るだけでした。そして、少女が向かったのは祖父が暮らした町とそこに咲く“五月の雪”と呼ばれる油桐花が咲く三義の町でした…。

陳柏霖の魅力が100%生かされ、劉亦菲 の初々しさとあいまって、さわやかなラブストーリーです。そして、そこに台湾と中国の歴史の悲劇のエピソードがからみ、とても奥の深い作品になっています。

0618sanyi2日本統治時代に材木や樟脳の産地だった三義は、その後木彫りの町へと変わりました。材木として植えられた油桐の木は、春に白い花を咲かせ、これが一斉に散る様はまるで雪のように見えることから、“四月雪”または“五月雪”と呼ばれるようになったそうです。
これが注目され、最近はこの季節に大規模なイベントが開かれるようになり、普段は静かなこの町も、多くの観光客で賑わっています。

0618sanyi3「三義」駅から最初に向かったのは、映画で二人がたずねる勝興駅、今では廃線になっていますが、西部縱断鉄道の最高点にあり、標高は海抜およそ402メートル、自然景観の豊かなところです。線路の両側の山々は、白い油桐花に彩られていました。
駅舎は日本家屋風で、隣に鉄路餐亭という駅舎を改造した食堂があります。入り口には撮影時の陳柏霖と劉亦菲の写真も飾ってあるそうですが、混んでいたので私は別の店で客家料理を食べました。豚の角煮、筍などの野菜とイカの炒め物、そしてすりつぶしたピーナッツやゴマ、抹茶、豆類などの粉を混ぜた擂茶など、とっても美味しかったです。

0618sanyi4勝興駅がある舊山線は、今は時期限定の観光列車が走るようですが、台湾鉄路管理局の9月までの予定には載っていませんね。
映画では民家に忍び込んで警察に追われ、二人はこの線路の上を走って逃げます。途中トンネルを抜けるシーンもありますが、このトンネルけっこう長くて照明がない為、懐中電灯必須です。スマホのアプリのLEDライトを使って歩きましたが、壁の表示を見てまだ半分も来ていないことがわかった地点で引き返しました。(^o^)
映画の中のふたりはこのトンネルを抜けた先の鉄橋をこわごわ渡りますが、普段は鉄橋の前に鉄柵があり、一般人は歩くことはできません。

0618sanyi5しかし、この鉄柵の前は、観光名所のひとつになっている龍騰断橋を眺める絶好のポイントです。この龍騰断橋というのは、地震で崩壊した橋の、橋桁だけが残されたもので、とても美しく、味わい深い遺跡となっています。近くに行って下から見上げると、歴史の重みがのしかかってくるようでした。
「五月の恋」には出てきませんが、朱孝天(ケン・チュウ)主演ドラマ「五月に降る雪」では使われているそうです。
ここから川に架かる橋を渡ると、もうひとつの残された橋桁が見られる場所があります。こちらはうっそうとした木々に囲まれて、神秘的な雰囲気でした。

0618sanyi6そして、最後に三義駅に近い“四月雪小径”へ油桐花を見に行ったのですが、想像していたのとは違い、手を伸ばせば届くところに咲いているのは入り口付近だけでした。茶畑まで続く小径は、山の上の方に咲いている油桐花が散ってまるで雪が降ったような道になる…ということです。大勢の花見客が訪れる為、道に落ちた白い花は踏みつぶされ、残念ながらとても映画の中で見たような風景ではありません。
誰かが拾い集めた花びらをハート型や「LOVE」という文字にかたどったりしたものが道端の石の上にあったりしましたが…。

それでも、本当に三義はいい所です。油桐花の見頃は4月末から5月初めまでと短いですが、その時期に台湾を訪れる予定がありましたら、ぜひ立ち寄ってみて下さい。そして、その際は映画「五月の恋」をDVDで見ておくとさらに味わい深くなると思います。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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