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2012/11/17

台湾映画「水餃幾兩」金馬影展でプレミア!

1117shuijiao1いま台湾で開催中の金馬影展では、国内、海外の作品あわせて200本以上を上映中ですが、台湾映画の新作の中で私にとって一番面白かったのが「水餃幾兩」です。11月11日に宜蘭で、13日に台北でお披露目となり、謝駿毅監督と主役の張書豪(チャン・シューハオ)と黃璐(ホアン・ルー)が舞台挨拶と上映後のQ&Aを行いました。

まずはストーリーからご紹介します。
台北市のお隣、新北市の公務員阿正(張書豪)が、「海峽兩岸禮俗專刊」という台湾と大陸の冠婚葬祭マニュアルの原稿を書くように言われ、10回も書き直したにも関わらず上司からなかなかOKが出ません。大陸に友達も知り合いもいない阿正は途方に暮れ、水餃子店で夕食をとろうとしていると、一人の客(黃璐)と店主が口論をしています。
「台湾では水餃子を注文するときは何グラムじゃなくて、一個いくら、なの。わかった?」ときつい口調で言う店主。負けじと激しく言い返す明らかに大陸から来たとわかる女性客。その勢いにびっくりしつつも、彼女が出て行くとすぐさま追いかける阿正。

1117shuijiao2原稿を書かなければならない事情を話し、大陸の事を教えて欲しいと頼む阿正ですが「やだ!なんであんたに教えなきゃならないのよ」とけんもほろろ。しかし、なおも食い下がろうとついていくうちにすっかり彼女のペースに巻き込まれてしまい、宿無しの彼女を家に泊めてあげ、彼女の台湾に来た目的を手伝うことと交換条件でなんとか協力を取り付けます。
彼女が台湾に来た目的とは、祖母の初恋の相手を探すことでした。そして二人は人捜しを続けるうちに、だんだん心が近づいて行き…。

1117shuijiao3「ひょんなことで知り合い」で済んでしまう主役二人の出会いを細かく書いたのは、この冒頭だけで主人公たちのキャラクターと行動に投影される、"台湾と大陸"が見事に描写されているからです。つまり、これがこの作品のテーマです。
ニューヨーク大学で学んでいる時に、大陸から来た同級生と政治問題などについて話していて、このテーマを思いついたという監督は、優しくて気が良くちょっと弱腰の男子と自信たっぷりの強い女子というキャラクターで台湾と大陸の関係を表しているということです。

1117shuijiao4でも、Q&Aでは最初に「北京の女の子は、こんな子ばかりではありません。」という北京から来たという観客のコメントに場内大爆笑。
次もまた北京から来たという観客が「確かに、台湾の男子はこんな感じですね。」と言ってまたまた場内が沸きました。
監督について聞かれた二人は、
黃璐;「監督は私たちに自由に自分を発揮できるようにしてくれて、そこから良いものを引き出すというような方法でした。」
張書豪:「そうそう、監督はすごく良い人で、僕たちが自分の考えで演技して『監督どうですか?』という感じで進めました。」
と答えていました。

タイトルの意味についての質問もあり、監督は「初めて大陸に行ったとき、水餃子をグラム単位で売っているのに驚いた。すごく面白いと思い、こういう店を映画で設定しました。そして、最後にまたこの水餃子が父と子の関係で使っています。」と。
そう、主人公二人は祖母の初恋の人を捜すだけでなく、お互いのなくしたものと出会うという展開になり、ここでも水餃子が効果的に使われているのです。

1117shuijiao5しっかりした構成の脚本で、笑いあり感動ありのプチロードムービー、新人監督らしからぬ演出力でテンポも良い作品です。
そして、張書豪と黃璐がこの映画のテーマを表すキャラクターをそれぞれ好演し、特に張書豪は昨年の「轉山」、今年の「女朋友。男朋友」「金孫」と演技力の進化ぶりには目を見はるものがあります。張書豪には単独インタビューをしましたので、後日記事を掲載、音声のPodcast配信もしますので、どうぞお楽しみに!

この「水餃幾兩」、台湾での公開時期はまだ決まっていないということですが、ぜひ日本でも映画祭で見る機会を!と切に願います。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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