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2013/11/01

東京国際映画祭 台湾映画最前線シンポジウム

1101session1東京国際映画祭の6日め、「台湾映画最前線シンポジウム」が行われました。当初台湾監督そろい踏み!と謳っていましたが、『総舗師 ― メインシェフへの道』の陳玉勳(チェン・ユーシュン)監督が取り消しに続き、『失魂』の鍾孟宏(チョン・モンホン)も急遽帰国のために参加できず、『Together』の許肇任(シュー・チャオレン)監督、『27℃ ― 世界一のパン』の林正盛(リン・チェンシェン)監督、『高雄ダンサー』の何文薫(ホー・ウェンシュン)監督とファン・ウチョル監督のみとなりました。

1101session2今回のラインナップでは、久々に長編映画復活の林正盛(リン・チェンシェン)監督と陳玉勳(チェン・ユーシュン)監督、遅咲きの新人監督許肇任(シュー・チャオレン)監督、独自の世界観を描き続ける鍾孟宏(チョン・モンホン)という顔ぶれに加えて、2人のプロデューサー李烈(リー・リエ)、葉如芬(イエ・ルーフェン)で語られる台湾映画の現状が楽しみだったのですが…。
というのも、ここ数年のヒットの傾向である“台湾語を使ったローカル色豊かなコメディ”として、この夏に3億台湾元を超える大ヒットを飛ばした『総舗師 ― メインシェフへの道』の存在は、いまの台湾映画を語る上で欠かせないのです。

1101session3“台湾語を使ったローカル色豊かな人情ドラマ”の『27℃ ― 世界一のパン』と、台湾映画らしい視点で人間模様を描いた『Together』も良い作品ながら興行成績は振るわず、公開もされていない『高雄ダンサー』に至っては、何文薫(ホー・ウェンシュン)監督は長い海外生活の為、台湾映画界の現状をあまり把握できていない為ご本人も困惑していました。ただ、「生まれ育った台湾で今回デビュー作を撮れてうれしい。今後も台湾で作っていきたい」と短く語っていました。

1101session4林正盛監督が「海角七号 君想う国境の南」に始まる商業的に成功した娯楽映画のために、投資者が興行成績ありきでないと出資しなくなった…と嘆いていましたが、これは逆に言えば台湾で映画が産業として成熟してきたということでしょう。もちろん林正盛監督もそんなことは百も承知で、政府からの補助金は芸術性の高い映画にもっと使われるべきだというのが意見の骨子。これまでのご自身の実績、そして台湾映画への愛あればこその苦言です。
そして、中国(大陸)へのマーケット拡大については、検閲を通るような映画を作らなければならないので、自分にはそういう気持ちはないということを明言していました。

1101session5一方、許肇任監督は問題点の一つとして台湾のプロデューサー不足を挙げていましたが、この点については、せっかく来日しているのにこのシンポジウムに参加しなかった李烈(リー・リエ)、葉如芬(イエ・ルーフェン)というお二人の話を聞くことができなかったのが、返す返すも残念です。『囧男孩』『モンガに散る』『翻滾吧!阿信』、そして今回の『総舗師 ― メインシェフへの道』とヒットメーカーである李烈、『九月に振る風』『女朋友。男朋友』『失魂』など数々の作品を手がけている葉如芬、共に台湾を代表する女性プロデューサーですから。

今回は、この三人の監督により台湾映画界の一端を知る良い機会でしたから、また近いうちに東京国際映画祭でこのようなシンポジウムをぜひ実施して欲しいですし、多くの映画人に参加してもらえるよう願っています。

このシンポジウムの模様は、後日Podcast配信します。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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