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2013/12/01

第14回東京フィルメックス 『ピクニック』の蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督Q&A

1201tsuai1東京フィルメックス で『ピクニック(原題:郊遊)』が上映され蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督が来日、Q&Aが行われました。
本作はヴェネチア映画祭で審査員大賞を受賞、金馬奨では監督賞、李康生(リー・カンシェン)が主演男優賞を獲得するなど国内外で高い評価を受けました。

1201picnic台北の郊外に暮らす父親と二人の子供たち。父親は新興住宅地をPRする看板を掲げて街頭に立つ仕事でわずかな金を稼ぎ、子供たちは試食品を目当てにスーパーマーケットの食品売り場をうろつく。夜になると彼らは廃墟になった建物の中にある住みかに帰ってゆく…。
観客が試されるほどの長回しの中、李康生(リー・カンシェン)の演技の素晴らしさを実感。蔡明亮作品でお馴染みの楊貴媚(ヤン・グイメイ)、陸弈靜(ルー・イーチン)、陳湘琪 (チェン・シアンチー)も出演しています。

1201tsuai2Q&Aでは、黒澤明監督作品でずうっとスクリプターをつとめた野上照代さんが「最後の長回しは長すぎる。あなたはお好きなのでしょうが」と言うと、「野上さんがプロデューサーでなくて良かった。野上さんはいつもはっきりと意見を言ってくれて感謝します。私は野上さんにフィルメックスで会えるのを楽しみに来るのです」と、お二人の交流の深さを物語る一幕がありました。

そして監督業引退について聞かれると「もちろん映画は好きだし、映画を撮ることは好きです。ただ映画製作は心理的に焦りを招くもの。私は黒澤明監督が高齢になるまで撮り続けたことをうらやましく思う。ただしそれは監督によって違うので、私はもう10本撮ったのでほどほどかなと思っています。もし11本目があるとしたら、それはやはり天の神様が私に与えた使命だと考えています」と語りました。

1201tsuai4また、本作が来年日本でも公開が決まり、「私の映画はあまり売れないような映画なのでこれは珍しいことです。神秘的な力が働いていると思う」と笑いながら発表しました。
観客から李康生の名前が出ると待ってました!とばかりに「彼は本当に素晴らしい俳優です。彼がいなければこの作品は生まれなかったでしょう。この映画は他に何もない。あるのは李康生だけです」と、長年のパートナーに最大級の賞賛の言葉を贈りました。

カメラマンの方からフィルムからデジタルになった技術的な面からの考え方について聞かれた時は、「新しい技術が生まれる度にとても焦りを感じます。私としてはフィルムの質感が好きですが。最近李安(アン・リー)監督に、『3Dというメディアはアクション映画のために発明されたのではなく、あなたのような映画のためにあるのだ』と言われました」と。
確かに、フィルムであろうがデジタルであろうと、蔡明亮監督は全くブレません。その独特の世界を自信を持って作り続けてきたプライドを見せつけられた気がしました。

第14回東京フィルメックス
11月23日(土)~12月1日(日)
有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日劇にて

※蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督関連記事

第五十回金馬獎レポート 受賞式編
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2013/11/post-8b42.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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