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2014/06/20

8/23〜9/15に「台湾巨匠傑作選」実施、新作『セデック・バレの真実』(原題:餘生)も公開!

0620yusheng8月23日から9月15日まで、新宿のK’s cinemaほかで「台湾巨匠傑作選」が全国順次公開となります。
これは侯孝賢(ホウ・シャオシェン)、楊徳昌(エドワード・ヤン)、李安(アン・リー)、魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)の4人の代表作を一挙上映するもので、新作ドキュメンタリー映画『セデック・バレの真実』(原題:餘生)も同時公開されます。

「台湾巨匠傑作選」
期間:8月23日〜9月15日
会場:K’s cinemaほか全国順次公開
配給:オリオフィルムズ/マクザム

■解説
台湾に“新しい波”が産声を上げたのは82~83年頃。以来、30余年が過ぎた。<台湾巨匠傑作選>は、この間に同地映画界に起きた激変を必要最小限の鑑賞本数で見渡せる好企画だ。
 台湾ニューウェイブが発生したのは、70年代末に香港ニューウェイブが誕生したのと関係している。ジョン・ウー、アン・ホイ、ツィ・ハークらの初期作品が台湾でも人気を博し、傍ら台湾映画は人気を失っていった。これに刺激され、同地でも世代交代の必要性が意識されはじめる。
 香港新世代監督たちがニューウェイブと呼ばれたのは、スタジオでの助監督修業を経ずにデビューしたこと、海外で映画を学んだこと、テレビドラマで頭角を現したことなど、前世代とは異なる特徴があったからだ。これを参考に、台湾でも若手に監督する機会を与える試みが行われる。エドワード・ヤンら4人による『光陰的故事』(82)と、侯孝賢ら3人による『坊やの人形』(83)だ。ここに、台湾ニューウェイブは誕生した。以後80年代半ば過ぎまで、侯孝賢の『童年往事』(85)を含む多くの傑作が生み出されていった。
 けれどその波は長続きしない。後ろ盾となってきた半国営的映画会社・中央電影公司が弱体化し、政府の手厚い映画製作補助制度が作品を市場から乖離させた。また当時の侯作品に代表されるように、多くが大スターの起用とは無縁だったことも、観客の台湾映画離れを誘った。作品評価は高くとも、映画産業は青息吐息の状態に陥る。
 そこに現れた希望の星が、アン・リーだった。『推手』(91)『ウェディング・バンケット』(93)『恋人たちの食卓』(94)のヒットで、久方ぶりに観客は国産映画に興味を持つ。が、それは直ちに映画産業の復興をもたらしはしない。台湾出身とはいえNYに拠点を置いてきた彼は、これら3作の成功を経ても故郷の映画界に戻る道は選ばなかったからだ。
 その間、復興の兆しを見せない映画界で、名声を確立した監督が頼りにしたのがジャパンマネーと海外市場だった。侯孝賢の『憂鬱な楽園』(96)『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(98)『珈琲時光』(03)、エドワード・ヤンの『ヤンヤン 夏の想い出』(00)等多くの傑作がこの時期、日本資本と海外市場を頼りに製作された。
 そして、この歪な状況に遂に終止符を打ったのが『海角七号/君想う、国境の南』(08)で商業監督デビューした魏徳聖ということになる。後の『セデック・バレ』(11)も含め彼の作品が国内で大ヒットし、ようやく観客は地元製映画への関心を回復する。と同時にそれは、自分たちの土地独自の文化、伝統への関心も喚起することになった。以後大ヒットした映画は、スーパースター猪哥亮主演お正月映画(『大稲堤』(14)等)からドキュメンタリー『上から見る台湾』(13)に至るまで、いずれも海外市場などより、自分たちの文化、その歩んできた道程への関心が強く打ち出された作品である。魏徳聖が製作したドキュメンタリー『セデック・バレの真実』(13)もまた、人々に強く共有されつつあるこうした関心に真正面から応えた必見作だ。(暉峻創三)

■監督プロフィール

<侯孝賢/ホウ・シャオシェン>
1947年中国、広東省梅県生まれ。72年、国立芸術学院映画・演劇科卒業。80年「ステキな彼女」で監督デビュー。83年若手監督3人によるオムニバス映画「坊やの人形」を発表する。同年の「風櫃の少年」とその翌年の「冬冬の夏休み」で、ナント三大陸映画祭グランプリを2年連続で受賞。続く「童年往事 時の流れ」(85)がベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を獲得し、エドワード・ヤンとともに台湾ニュー・ウェーブの代表的存在となる。少年時代を扱った四部作(「風櫃の少年」から87年の「恋恋風塵」)の後、「悲情城市」(89)を監督。同作はヴェネチア国際映画祭でグランプリに輝き、93年には「戯夢人生」で、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。その他の主な作品「好男好女」(95)、「憂鬱な楽園」(96)、「フラワーズ・オブ・シャンハイ」(98)、「ミレニアム・マンボ」(01)、「珈琲時光」(03)、「百年恋歌」(05)

<楊徳昌/エドワード・ヤン>
1947年上海生まれ。2歳の時に家族と共に台湾へ移住。南カリフォルニア大学映画学科で映画を学んだが中退し、台湾に戻って映画脚本家となり、82年のオムニバス映画「光陰的故事」(未公開)の1編を手掛けて映画監督デビュー。以後、89年の「恐怖分子」、91年「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」、94年の「エドワード・ヤンの恋愛時代」、96年の「カップルズ」を監督。事実上の遺作となった2000年の「ヤンヤン 夏の想い出」ではカンヌ国際映画祭監督賞の他、ニューヨーク批評家協会外国語映画賞を受賞。その後7年ほど闘病生活を続けていたが、2007年6月29日、結腸癌による合併症のためアメリカ・カリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で死去。59歳だった。

<李安/アン・リー>
1954年台湾、屛東県生まれ。75年、国立芸術学校を卒業。78年に渡米し、イリノイ州立大学演劇科を経てニューヨーク大学大学院映画学科で映画製作を学ぶ。92年に台湾=米国合作の「推手」で商業映画デビュー。93年の「ウェディング・バンケット」はベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。続く「恋人たちの食卓」(94)も前作と2年連続して米アカデミー外国語映画賞候補となる。「グリーン・デスティニー」(00)は中国語映画ながら米アカデミー賞で作品賞にノミネート。05年、「ブロークバック・マウンテン」がヴェネチア国際映画祭金獅子賞を皮切りに映画賞を総なめ。米アカデミー賞ではアジア人初の監督賞を受賞して、ハリウッドで最も成功を収めたアジア人監督となる。さらに07年の「ラスト、コーション」も再びヴェネチア国際映画祭金獅子賞を獲得し、12年「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」で再び米アカデミー賞監督賞受賞。

<魏徳聖/ウェイ・ダーシェン>
1969年台南生まれ。遠東科技大学卒業後、林海象監督作「海ほおずき」(96)エドワード・ヤン監督作「カップルズ」(96)チェン・グオフー監督作「ダブル・ビジョン」(02)をはじめ93年から02年までの間、多数の映画やテレビ番組に携わる。同時に自らも多数の映像を制作し、99年の「七月天」でバンクーバー国際映画祭ドラゴン・タイガー賞特別賞を受賞。08年の監督作「海角七号/君想う、国境の南」では、台湾史上最大のヒットを記録。第45回台湾金馬奨で最優秀作品賞・観客賞・最優秀助演男優賞など6部門を制し、続く11年「セデック・バレ」でも第48回台湾金馬獎 最優秀作品賞・最優秀助演男優賞・観客賞など6部門を獲得、その地位を不動のものとした。
また、「セデック・バレ」のリサーチ中に脚本を書いた日本統治時代の高校野球を題材にした「KANO」では、監督を馬志翔(マー・ジーシアン)に委ね、自らはプロデューサーにまわった。「KANO」は台湾で記録的な大ヒットとなり、9月に台湾映画史上初の再公開が決まった。日本公開は2015年1月。

0620schedule【ホウ・シャオシェン監督作品】

「坊やの人形」
1983年/ 108分/台湾/出演:チェン・ボージョン、ヤン・リーイン

60年代前半の台湾を舞台に必死に生活を送る人々の姿を描く。「坊やの人形」「シャオチの帽子」「りんごの味」の三部作で構成されている。監督は「坊やの人形」がホウ・シャオシェン(侯孝賢)、「シャオチの帽子」がソン・ジュアンシャン(曽壮祥)、「りんごの味」がワン・レン(萬仁)。

「童年往事 時の流れ」
1985年/ 138分/台湾/出演:ユー・アンシュン、シン・シューフェン
第22回台湾金馬奨 最優秀助演女優賞・最優秀脚本賞
第36回ベルリン国際映画祭 国際批評家連盟賞

阿孝という少年の成長の年代記を、彼と家族の日常をめぐるささやかな出来事で綴る。主人公の阿孝は、47年広東省に生まれ、一歳のときに一家で台湾に移住した。村の子供たちの間でガキ大将的存在の阿孝だったが病弱な父は、子供心に阿孝に小さな影を落としていた…。

「憂鬱な楽園」
1996年/ 112分/台湾・日本/出演:ガオ・ジェ、リン・チャン

中年間近のチンピラと、弟分と彼の恋人のその日暮らしの毎日を描いた一編。チンピラのガオは40近いが正業に就かず、弟分のピィエンと彼の恋人のマーホァを連れて、田舎町の平渓にやって来る。兄貴分のシイに頼まれ、賭博の仕切りをする3人だったが、地元の男とトラブルを起こしてしまう…。

「フラワーズ・オブ・シャンハイ」
1998年/ 121分/日本・台湾/出演:トニー・レオン、羽田美智子
カイエ・デュ・シネマ誌1998年ベストテン第1位

19世紀末の上海を舞台に、清朝末期の高級遊郭で繰り広げられる男と女の愛憎劇を描いた文芸ロマン。清朝末期の上海。遊郭では高級官僚達が毎日のように宴を催している。王は遊女小紅とは5年来のなじみであるが、別の遊女惠貞の元へも通い始めた…。

「珈琲時光」
2004年/ 103分/日本/出演:一青窈、浅野忠信
第61回ヴェネチア国際映画祭コンペ部門正式出品
第9回釜山国際映画祭・Asian Filmmaker of the Year
小津安二郎生誕100年記念作品
 
東京を舞台に、女性フリーライターと彼女を巡る人々の心の交流を描いたドラマ。2003年夏、東京。古本屋を営む鉄道マニアの肇の力を借りて、30~40年代に活躍した台湾出身の音楽家・江文也について調べているフリーライターの陽子は、お盆の帰省で実家のある高崎へ戻った際、父と継母に妊娠していることを告白した…。


【エドワード・ヤン監督作品】

「ヤンヤン 夏の想い出」
2000年/ 173分/台湾・日本/出演:ジョナサン・チャン、ケリー・リー、イッセー尾形
第53回カンヌ国際映画祭 最優秀監督賞
第26回L.A.批評家協会賞 最優秀外国語映画賞
第67回N.Y.批評家協会賞 最優秀外国語映画賞

台北のごく普通の家庭の少女とその家族を通じ現代の家族が抱える問題をリアルに描いたドラマ。8歳のヤンヤンは、祖母と両親と姉と台北で暮している。しかし、祖母が脳卒中で倒れ昏睡状態に陥ったのを機に看病に疲れた母は家を出、昔の恋人と再会した父は過去を思い出し、姉は恋に思い煩う。そんな家族の姿をヤンヤンは冷静に見守り…。


【アン・リー監督作品】

「推手」
1991年/ 105分/台湾・米/出演:ラン・シャン、ワン・ライ
第28回台湾金馬奨最優秀主演男優賞・最優秀助演女優賞・審査員特別賞

中国からアメリカへと渡り、居場所を見つけられずに暮らす老人が異文化の中で次第に自立していく様を描いたヒューマン・ドラマ。太極拳の師範である朱老人は、ニューヨークで息子夫婦との同居生活を始める。しかし、息子の妻とは言葉も通じず、互いの生活様式の違いから、それぞれに不満を募らせていた。そんななか、朱は料理教室の先生をしている陳夫人と出会い…。

「ウェディング・バンケット」
1993年/ 108分/台湾・米/出演:ラン・シャン、ウィンストン・チャオ
第43回ベルリン国際映画祭金熊賞
第30回台湾金馬奨 最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀助演男優賞・最優秀助演女優賞
第51回ゴールデングローブ賞 外国語映画賞および第66回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート

ゲイの青年が偽装結婚したことから巻き起こる悲喜劇を、シニカルかつ感動的に描いたコメディ・ドラマ。ゲイであることを両親に隠し、恋人の男性・サイモンとマンハッタンで暮らす偉同。両親に結婚を急かされている彼はサイモンのアイデアで、グリーンカードを欲しがっている女性・威威と偽装結婚することに。しかし、息子からの手紙で結婚を知った両親が、台湾からやって来てしまい…。

「恋人たちの食卓」
1994年/ 124分/台湾/出演:ラン・シャン、ヤン・クイメイ
第52回ゴールデングローブ賞 外国語映画賞および第67回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート

前二作から一転、台湾を舞台に姉妹の物語を紡いだ、「推手」「ウェディング・バンケット」に連なる“父親三部作”最終章。かつて一流ホテルのシェフだった朱老人と3人の娘は、日曜の夕食を共にすることが決まりごとになっていた。ある晩、キャリアウーマンの次女・家倩は、父の味覚が衰え始めていることに気づく。物語を彩る中華料理の数々も見どころのひとつ。


【ウェイ・ダーシェン監督作品】

「海角七号/君想う、国境の南」
2008年/ 130分/台湾/出演:ファン・イーチェン、田中千絵
第10回台北映画祭 最優秀賞・最優秀撮影賞・最優秀音楽賞 第45回台湾金馬奨 最優秀台湾映画賞・最優秀オリジナル音楽賞・最優秀主題歌賞・最優秀助演男優賞・観客賞・最優秀台湾映画人賞

台湾最南端の町を舞台に、日本統治時代の悲恋を絡ませながら、台湾人男性と日本人女性の出会いを描く。阿嘉は、宛先不明の未配達の郵便物の中に、今はない日本統治時代の住所“海角7号”宛ての小包を見つける。それは敗戦によって台湾から引き揚げる日本人教師が、愛しながらも別れなければならなかった台湾人女性を想って綴ったラブレターだった…。

「セデック・バレ」
第48回金馬獎 最優秀作品賞・最優秀助演男優賞・最優秀オリジナル音楽賞・最優秀音響効果賞・観客賞・最優秀台湾映画人賞
2011年/第一部144分、第二部132分/台湾/出演:リン・チンタイ、ダーチン、安藤政信、ビビアン・スー

1930年、日本統治下の台湾で起きた原住民族による武装蜂起「霧社事件」を描いた、二部構成の歴史大作。アジア各地で驚異的な大ヒットを記録した話題作。
<第一部・太陽旗>セデック族は、自分たちの文化や習慣を禁じられ、過酷な労働を強いられていた。そんな中、日本人警察官とセデック族の一人が衝突したことをきっかけに、長らく押さえ込まれてきた住民たちが立ち上がり…。
<第二部・虹の橋>セデック族の襲撃を受け、多くの日本人は女子供のくべ区なく命を奪われた。日本軍は直ちに鎮圧を開始。山岳地帯の地の利を活かして戦うセデックの前に苦戦を強いられるが、圧倒的な武力を誇る日本軍により、セデックの戦士たちは次々と命を落としていく。

以上、マクザムからのリリースより(一部追記あり)

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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