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2014/06/18

蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督と李康生(リー・カンシェン)来日インタビュー

Caili18月下旬に公開される『郊遊<ピクニック>』のプロモーションで、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督と李康生(リー・カンシェン)が来日中です。
6月16日には今回限りの『河』特別上映+蔡明亮&李康生来日記念イベント、そして17日から19日まで各メディアの取材を受けた後に、シアター・イメージフォーラムでチケットの手売りもするというなんともすごい活動。
アジアンパラダイスでは、昨日17日にお二人にインタビュー、そして手売りチケット販売を取材してきました。

Caili2インタビューを前に色々考えたのですが、『郊遊<ピクニック>』に関しては聞くのをやめました。というのは、ひとつは蔡明亮監督作品は文字であれこれ書くよりも、とにかく見て感じて欲しい、そして映画の内容について昨年のフィルメックス上映時にも沢山喋っていましたし、今回のマスコミ用プレスで蔡明亮監督がほとんどを語っているのです。
本作は監督の引退作になるかも…ということで、16日のトークショーでも語っていたように、舞台であったり、短編映像など創作活動は続けるそうです。そこで、監督を創作に駆り立てるものは何か?からお聞きしました。
それは「生活」だそうです。そして「李康生は僕の生活の一部だ」…と。

Caili3李康生は5月にヨーロッパ芸術祭での舞台劇『夢』に出演する為ブリュッセルに向かった時、機内で昏倒、すぐに病院に運ばれて軽度の脳梗塞であることがわかりましたが、医師や周囲の反対を押し切り3時間の舞台を演じきり、台湾に戻って治療する、というたいへんな事態がありました。まだ完治していない為、普段でも静かなタイプですが、相変わらずパワフルな蔡明亮監督の隣にいるといっそう体調が心配になります。インタビューの後に「身体は大丈夫ですか?」と聞くと「徐々に良くなってきている」ということでした。

Caili4その李康生には、他の監督作品に出演する時、蔡明亮監督作品で育ち培ったものが身体から抜けるのかどうかを聞きましたが、「他の監督は"蔡明亮作品の李康生"を求めてオファーすることが多いのでどうしても大きく逸脱することはできない。しかし僕はの監督との仕事で色々な演技をしてみたい」と語っていました。
しかし、先述のように蔡明亮監督から「生活の一部」と言われてしまっています。この特別な創作者と演者の世界は唯一無二でしょう。

そして、自ら『不見』と『幫幫我愛神(ヘルプミー・エロス)』で監督もしていますが、蔡明亮監督は「どうしても僕の真似から脱け出せない、彼には俳優として更に上を目指して欲しい」と言っていました。

Caili5案の定、一を聞くと十語る蔡明亮監督ですから時間が足りなくなり、最後は写真を撮りながらという作戦で、軽く「国際的な大監督なのに、何故チケットの手売りをするのですか?」と単刀直入に聞いてみました。ご本人はもちろん、立ち会っていた配給会社の皆さんも大爆笑。監督は「現実的にならなくてはね」と笑いながら答えてくれました。「僕は全ての作品を出演者と一緒に路上でチケットの手売りをするから、台湾では"托鉢僧"と言われているよ」とも。
芸術家でありながら、自分の創り出した作品以外には全く傲ることなく現実をしっかりと見据える蔡明亮監督、私も時々行く台北で経営するカフェ「蔡明亮咖啡走廊」で帳簿チェックをする姿を見かけますが、これも監督の創作の源である"生活"のひとつなのでしょう。

Caili6この日は私がインタビューの最後で、その後は映画館前で人間立て看板になってのチケット手売り活動です。
すでに募集していたファンたちが映画の小康と同じく黄色のビニールレインコートを来たり、看板を持ったりして他の映画を見て出てきた観客に声をかけてチケットを売りました。
それにしても、この配給会社は私が『郊遊<ピクニック>』そのもののことを全く聞かなくても「No Problem!」と言い切り、トークイベントで監督自身が言っていたように興行成績に関して決して楽ではない本作を買い付けて日本で公開するという情熱、作品への愛は蔡明亮監督と相似形を成していると思います。

Caili7「とにかく1人でも多くの人に見ていただきたい」(By 蔡明亮)

ということで、貴重な蔡明亮監督と李康生自らの人間立て看板チケット手売りは、18日、19日の18時半~18時45分の間、劇場(シアター・イメージフォーラム)前で行われます。
ぜひ!

そして、このインタビューは8月にPodcast配信します。

0519jiaoyou●映画『郊遊<ピクニック>』
2013ヴェネチア国際映画祭審査員大賞/2013金馬奨 最優秀監督賞&最優秀主演男優賞
現代の台北。果てなき孤独を照らす、異界の光。
『河』『愛情萬歳』の巨匠蔡明亮、最後の傑作。
父と、幼い息子と娘。水道も電気もない空き家にマットレスを敷いて三人で眠る。父は、不動産広告の看板を掲げて路上に立ち続ける「人間立て看板」で、わずかな金を稼ぐ。子供たちは、試食を目当てにスーパーマーケットの食品売り場をうろつく。そんな毎日でも子供たちの姿は、郊外に遊ぶピクニックのようだ。だが、どしゃ降りの雨の夜、父はある決意をする……

映画監督として最後の作品となる本作で、蔡明亮が初めて描く子供の姿。それはまるで、まだ人ならざるクリーチャーのように異界からの光を放つ。だが、子供は、やがて人になり、人間の絶対的な孤独を知る。人であるということは、孤独であることと同義だと言うように。第一作から描きつづけてきた“現代”と“孤独”を、これまで以上に大胆な描写で、繊細に、豊饒に映し出す圧倒的な映画の力。有無を言わさず目に灼きつける強靭さと、いくつもの物語を包含する自由さ。映画史上に残る驚異的な長回しのラストシーンにいたるまで、ワン・カット、ワン・カットに映画が立ち上がる。
まさに「ここまで来た」と感嘆せずにいられない蔡明亮最後の傑作である。

監督:蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)
撮影:廖本榕(リャオ・ペンロン)、宋文忠(サン・ウェンチョン)、呂慶鑫(ルー・チンシン)
音響:杜篤之(ドウ・ドゥージ)
出演:李康生(リー・カンシェン)、楊貴媚(ヤン・クイメイ)、陸奔静(ルー・イーチン)、陳湘琪(チェン・シャンチー)
原題:郊遊 英語題:Stray Dogs 2013年|台湾、フランス|136分|DCP|カラー|1:1.85|中国語 
後援:台北駐日経済文化代表処 
配給:ムヴィオラ
硬式サイト:http://www.moviola.jp/jiaoyou/

8月下旬、シアター・イメージフォーラム他全国順次公開!!

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

※これまでの蔡明亮監督と李康生に関する記事と音声

蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)&李康生(リー・カンシェン)来日ファン交流イベント開催決定!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2014/05/post-5bf3.html

第14回東京フィルメックス 『ピクニック』の蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督Q&A
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2013/12/14-qa-6dc3.html

第56屆亞太影展(アジアパシフィック映画祭)で李康生(リー・カンシェン)と章子怡(チャン・ツィイー)が主演男女優奨、作品賞は『そして父になる』!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2013/12/56-4e5f.html

第五十回金馬獎、李康生(リー・カンシェン)と章子怡(チャン・ツィイー)が50人めの影帝・影后!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2013/11/50-bd84.html

2013年金馬影展『郊遊(ピクニック)』で開幕!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2013/11/2013-7cc2.html

Podcas t蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)の世界
http://asianparadise.sblo.jp/article/34071279.html
http://asianparadise.sblo.jp/article/34071135.html

李康生(リー・カンション)インタビュー!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2009/10/post-0ae5.html

Podcas 李康生(リー・カンション)インタビュー
http://asianparadise.sblo.jp/article/33663159.html

蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)と張國榮(レスリー・チャン)
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2009/11/post-7700.html

「第10回東京フィルメックス」オープニングセレモニーと蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督Q&A
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2009/11/10qa-de09.html

陸奕静(ルー・イーチン)のインタビュー
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2009/09/post-08ba.html

蔡明亮監督幻の短編「歩道橋」特別上映決定!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2006/10/post_2270.html

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