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2015/02/16

Podcast 姜秀瓊(チアン・ショウチョン)監督インタビュー in 台北

0216xiuqiong12月28日から公開になる永作博美主演映画「さいはてにて やさしい香りと待ちながら」の監督をした、台湾の姜秀瓊(チアン・ショウチョン)に、台北でインタビューしてきました。
姜秀瓊は、かつて「牯嶺街少年殺人事件」で助演女優賞にノミネートされた後に演技から演出に転身、楊德昌(エドワード・ヤン)、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)らに師事し、日本では東京国際映画祭で台湾出身の名カメラマン李屏賓(リー・ピンビン)と彼の仕事を追ったドキュメンタリー映画「乘著光影旅行-(Let the Wind Carry Me)」が上映されました。

2002年に「三方通話」の中の「連載小說」で監督デビューし、2004年の短編ドキュメンタリーなどを経て2008年に撮った短編映画「跳格子」は、台湾の映画賞を総なめ、フランスや韓国でも高い評価を受けました。
2010年に先述の「乘著光影旅行-(Let the Wind Carry Me)」を香港の関本良(グァン・ブンリョン)し共同監督してこの年の台北電影節では最高賞の百万元大賞を獲得。2011年には認知症をテーマにしたオムニバス映画「昨日的記憶」のうちの一編「迷路」を担当、日本のショートショート フィルムフェスティバル&アジア2012で上映されました。

0216xiuqiong2東京国際映画祭で来日した時には限られた時間の中で監督2人のインタビューでしたので、「乘著光影旅行-(Let the Wind Carry Me)」のことしか聞くことができなかった為、今回は台北でじっくりとお話しを伺ってきました。
何故彼女は助演女優賞にノミネートされたほどの演技力を持ちながらも女優ではなく監督の道を歩んだのか?「俳優は、オファーされなければ仕事はない。でも、監督なら伝えたいテーマを自分で脚本を書けば良いし、プロデューサーがいなければ自分で資金を調達して制作することができるから」と答えます。

そして私が初めて姜秀瓊という名前を知った短編映画「跳格子」は優しさとユーモアにあふれた秀作ですが、ここまでの道のりや制作の経緯はけっして平坦なものではありませんでした。すでに母親になっていた姜秀瓊は、これを最後の監督作品にしようと夫の理解を得て自己資金を投入し2年かけて制作した結果、2008年の金馬奨の最優秀短編、台北電影節の審査員特別賞、金穗獎の監督賞を始め数々の賞を獲得し、ご自身にとってもとても重要な作品になったということです。

0216xiuqiong32011年には、気鋭の4人の監督が認知症をテーマにしたオムニバス映画「昨日的記憶」の中の一編「迷路(迷子いう意味)」を監督、老人を出さずに張震(チャン・チェン)と隋棠(ソニア・スイ)という若い2人だけで老人問題を描き秀逸でした。何故こういう表現方法にしたのか、人気の若い俳優を起用した意図を聞きました。
さらに、カメラマンを中島長雄=鍾孟宏(チョン・モンホン)に依頼したのは、「もともと友人で、今度自分の企画を監督してくれないか、撮影は自分がやるからと言われていたので、じゃあ先に私の作品の撮影をお願いしようと思いました。でも、その後彼の企画はまだ実現できていません。私は時間をかけるタイプなのでそれではダメだと思ったのかもしれません」と笑っていました。

そして2013年、姜秀瓊に注目した日本のプロデューサーが、暖めていた企画を実現するにあたり、彼女に白羽の矢を立てました。台湾から一人、文化も習慣も違う日本映画のチームに参加して監督を務めるのはたいへんなことだったそうですが、とても有意義な体験になったと言います。
能登半島の美しい自然を背景に、海辺の朽ちかけた舟小屋を珈琲店に変えた女主人と、民宿住まいの若いシングルマザーとの友情などが描かれる人間ドラマですが、激しい起伏のある物語ではありません。「登場人物の感情を繊細に描くことがこの作品の成功に繋がる秘訣だと思いました。リアルな感情を表すのに、クローズアップでは撮りたくなかった。長回しの手法を使ったのは、自然な動きの中で心模様を映しだしたかったから」と語っていました。
おそらく姜秀瓊でしか成しえなかったであろう、この味わい深い「さいはてにて やさしい香りと待ちながら」、ぜひご覧になっていただきたいと思います。

0216xiuqiong4姜秀瓊監督から、インタビュー後にもさらにメッセージが届きました。
「この映画は、東京での店を引き払い故郷である能登半島の珠洲でコーヒー豆のショップを始めた女性の記事を、プロデューサーが奥さまから聞いたことがきっかけだそうです。これを映画にしたいと思ったプロデューサーは奥様と息子さんと共に珠洲まで車を走らせ、この女性を訪問されました。
ご家族が一緒に食卓を囲んで朝ごはんを食べながらご自身が読んだエピソードを家族と語り合う風景をイメージするだけで、なんて美しい風景だろうと心から思います。
ですから観客の皆さんには、家族と共に劇場に行き、この映画を楽しんでいただきたいです」

そして、永作博美、佐々木希の演技にに加えて、特別出演の永瀬正敏の素晴らしいプロ精神についても語ってくたこのインタビューは、今日2月16日と2月23日からの2回にわたりPodcast配信します。ぜひお聞き下さい。

インタビュー音声はこちら。

「さいはてにて やさしい香りと待ちながら」
2月28日より全国ロードショー
監督:姜秀瓊(チアン・ショウチョン)
出演:永作博美 佐々木希 永瀬正敏
公式サイト:http://www.saihatenite.com

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

※これまでの姜秀瓊(チアン・ショウチョン)に関する記事

台湾の姜秀瓊(チアン・ショウチョン)が来年公開の日本映画「さいはてにて(仮)」の監督に!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2013/06/post-5b19.html

金馬影展「昨日的記憶」プレミアin 台北
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2011/11/in-f9fd.html

2011台北電影節CF、人気監督がボクサーに!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2011/04/2011cf-edbe.html

Podcast 東京国際映画祭「風に吹かれて−キャメラマン李屏賓の肖像」Q&A後編
http://asianparadise.sblo.jp/article/43618631.html

Podcast 東京国際映画祭「風に吹かれて−キャメラマン李屏賓の肖像」Q&A前編
http://asianparadise.sblo.jp/article/43529947.html

Podcast 姜秀瓊(チャン・シューチュン)と関本良(グァン・ブンリョン)監督のインタビュー
http://asianparadise.sblo.jp/article/41744557.html

「風に吹かれて−キャメラマン李屏賓の肖像」Q&Aと監督インタビュー
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2010/11/post-18a1.html

台北より最新映画レポート「乘著光影旅行」
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2010/05/post-dc52.html

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コメント

I consider, that you are not right. I can defend the position. Write to me in PM, we will talk.

投稿: Lawerence | 2015/02/19 17:59

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投稿: Delmer | 2015/02/19 09:10

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