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2016/03/18

大阪アジアン映画祭香港映画『十年』監督&プロデューサーQ&Aとインタビュー

0318xinian1今回の大阪アジアン映画祭で個人的にとても楽しみにしていた香港映画『十年』は、5人の監督が十年後の香港を描いたオムニバス作品です。
どの作品もそれぞれ個性的で、想像以上に直接的な表現で衝撃を受けました。
今回は、蔡廉明(アンドリュー・チョイ)プロデューサーと黃飛鵬(ウォン・フェイパン)監督、歐文傑(ジェヴォンズ・アウ)監督、伍嘉良(ン・ガーリョン)監督が来日してQ&Aを行いました。

0318xinian2第一回めの上映後のQ&Aでは、香港での反響について蔡廉明プロデューサーが「この映画は、12月17日から1館だけでしたが、話題になり6館に増え9週間上映し、興行収入は600万香港ドルを越え、インディペンデントとしてはとても良い成績をあげました。一番うれしかったのは、多くの観客が共感してくれたことです。いま香港はとても難しい状況です。私たちはなんとか今の状況を打開するような、実は明るい未来が待っているのだということを伝えたいと思い、私たちにはまだ希望があるという映画にしたかった」と語りました。

『十年』の構成は以下の通りです。
『浮瓜』 監督:郭臻(クォック・ジョン)
『冬蟬』 監督:黃飛鵬(ウォン・フェイパン)
『方言』 監督:歐文傑(ジェヴォンズ・アウ)
『自焚者』監督:周冠威(キウィ・チョウ)
『本地蛋』監督:伍嘉良(ン・ガーリョン)

0318xinian3
この5本の構成については十年後の香港を見据えるという統一テーマだけを決め、それぞれの内容は個別に決めたそうです。ただ、5本の順序については、『冬蟬』と『自焚者』が重いのでそれをはさむ形で観客が見やすいように並べたということです。最初の『浮瓜』はちょっとセピアにして期待をもってもらえるよう、そして最後に『本地蛋』を置いたのは、子供が出てくるということで次の世代に期待するというメッセージも込めているとのことでした。

また、『自焚者』の中でインタビューシーンが沢山出てくるのですが、これは俳優なのかどうかと言う質問に対し、不在の周冠威(キウイ・チョウ)監督に代わって伍嘉良(ン・ガーリョン)監督が「インタビューのシーンは全て俳優です。ドキュメンタリーではなく“モキュメンタリー"という方法で、彼らが語っていること、批判している意見などの内容はすべて周冠威監督自身の体験で、監督自身の体験を投影しています」と答えていました。

0318xinian7そして個別インタビューでは、まず金像奨ノミネート、香港電影評論學會大獎推薦映画に選ばれたことの感想から聞きました。

蔡廉明プロデューサー
「ローバジェットで、直接的な表現の映画なので、びっくりしました。政治的な映画であり、香港映画界を目ざめさせたいという思いは意義のあることだと香港の人がこの映画に共鳴してくれていることを確信しました」

0318xinian4黃飛鵬監督
「この映画は僕たちクリエイターたちが自主的に考えたことで、インディペンデントであることで自主性を守っていくことができる。映画は娯楽性も必要ですが、これもひとつの新しい方向性になっていければいいなと思います。この映画の持つ可能性はこれからもっと大きい者になっていくと思う」

0318xinian5歐文傑監督
「評価されたことはとてもうれしい。でも、受賞はそれほど重要ではなく、一番心配していること、関心を持っているのは香港の生活なので、本当はこういうことが起きて欲しくないと思って作りました。将来見たくないことを想像してこの映画を作ったのです。この見たくないことが現実にならない社会を作っていくには、市民の皆さんがそれぞれの力を出して解決方法を探すことが重要だと思っています」

0318xinian6伍嘉良監督
「最初はこの映画を上映してくれる映画館なんてないだろうから、どこかで自主上映会を開いて討論会ができたらいいなとと思っていました。それがこんなふうになり、日本でも上映できたことはとても意義深いです。そして、受賞対象になったことは香港映画界における創作の自由が肯定されたということだと思います。そして、これを見た観客の皆さんが香港の未来について考えるようになったことがうれしいです」

0318xinian8インタビューでは、この他にこの作品を作る勇気、創作者魂についてもお聞きしました。
そして、禁書を扱っている書店の店主が失踪したことが『本地蛋』に描かれています。しかしこれは、実際の事件が起こる前に作られたので、伍嘉良監督は「本当にこんなことが起きて驚きました」と言っていました。監督はじめこの映画に関わった方々に危険はないのか気になりますが、今のところ何もないということです。
このインタビューは後日Podcastで配信しますので、どうぞお楽しみに!

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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