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2016/04/01

大阪アジアン映画祭シンガポール映画『3688』陳子謙(ロイストン・タン)監督&蔡淳佳(ジョイ・チュア)Q&Aとインタビュー

0401feifei1今年の大阪アジアン映画祭では、陳子謙(ロイストン・タン)監督7年ぶりの新作『3688』を見ることができたのも、大きな喜びのひとつでした。
監督は主演の蔡淳佳(ジョイ・チュア)と共に来日し、Q&Aでは「こんにちは、ロイストン・タンです。愛してる、大阪!」と日本語で、今回映画初出演で初主役という歌手の蔡淳佳は「ジョイ・チュアです。大阪に来れてうれしいです」と英語で挨拶しました。

0401feifei2本作は、アラフォーの駐車場係員と父、そして周囲の人達との悲喜こもごもを描き、台湾の国民的歌手・故鳳飛飛(フォン・フェイェイ)に捧げられたミュージカルコメディです。まず司会者から泣いて笑ってすてきな音楽に浸ることができる『3688』の制作のきっかけを聞かれた監督は、「3年前に外国にいるときに大好きだったホイットニー・ヒューストンの訃報を聞き、悲しくなりました。そうしたらその数日後に鳳飛飛が亡くなったというニュースが飛び込んできて、とてもショックでした。鳳飛飛が好きな両親をコンサートに連れて行ってあげる約束をしていたのに、それができなくなったので、映画を通してその夢を叶えようという想いから出発しました」と語りました。

0401feifei3蔡淳佳は映画初出演について「鳳飛飛はとても音域が広いので、彼女の歌を歌うことは大きなプレッシャーがありました。でも役柄を理解していくうちに感じたものを投影していきました。たいへんでしたが、大きな満足感も得られました」と言うと、監督は「彼女は感情を込めて演じてくれましたし、特に最後のコンサートで歌うシーンではライブで8分間一気に歌い上げてくれ、本当に感謝しています」と労をねぎらっていました。

0401feifei4ヒロインの職業である駐車場係員はシンガポールで実際にあり、彼女たちは本当に鳳飛飛と呼ばれているそうです。屋外で日よけのために大きなつばのある帽子を被っているので、遠くから見ると鳳飛飛のようで、親しみを込めてそう呼ばれているのだと、蔡淳佳が説明してくれました。

観客から監督の作品のタイトルは全て数字なのは何故かと言う質問があり、「実は小さい頃から数学が苦手でしたが、数字を組み合わせるとまた別の意味があることを発見しておもしろいと思うようになりました。タイトルを考える手間もなくて良いので…」と笑いながら答えていました。

0401feifei5そして、このQ&Aが終わった後に単独のインタビューを行いました。
本作はアルツハイマーの人の実話を元にしているということなので、監督に鳳飛飛が亡くなったことをどうやって結びつけたのかお聞きしました。
「多くのシンガポール人が鳳飛飛を愛しているということと、アルツハイマーのCMを取った時に、その方達はみんなそれぞれ色々な想い出を持っていて、その想い出を語る時に多くの言葉ではなく、ひとつの歌で描けるのではないかと思いました」

0401feifei6ヒロインに歌手の蔡淳佳を起用した理由も興味あるところです。
「自分の直感を信じています。出資者は演技経験のないヒロインを心配していたし、冒険ではありましたが、演技のプロではないから出せるリアリティに賭けたいと思い、彼女は見事にそれを出してくれました」と監督が言うと、
「最初はほんとですか?私は経験ないですよと何度も監督に聞きました。監督はその度に確信を持って大丈夫と言ってくれました。監督の勇気と決断に影響を受けて、できるかも知れないと思うようになりチャレンジングでしたが実際にやってみて、これまでで最も重要な仕事になったと思います」と蔡淳佳が語ってくれました。

0401feifei7本作のヒロインは何とノーメイクです。『最愛の子(原題:親愛的)の趙薇(ヴィッキー・チャオ)もノーメイクで話題になりましたが、監督の狙いを聞いてみました。
「自然な表現を求めていたので、内面から出てくる美しさを狙ったのです。心の中にある愛や善良さ、忍耐などがにじみ出てくると思っていました。女性にノーメイクを要求するのは酷だと思いましたが、蔡淳佳であることを忘れてくれと頼みました。そうしたら快く承諾してくれて、素晴らしい演技を見せてくれました」と、監督はにっこり。

0401feifei8そして、この映画は監督ご自身にも大きな変化をもたらしたそうです。これまでは撮影中によくキレたりすることもあったようですが、今回はそういうことがなく、バランス良く進められたということ。この7年間で近しい人が亡くなったり色々なことがあり、ひとつひとつに対し大切に向き合うようになったことで成長した、ということでした。
この他、苦労したところ、監督が一番こだわったところなど色々お聞きしたこのインタビュー、後日Podcastで配信しますので、どうぞお楽しみに。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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