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2016/06/19

台湾映画の新しい潮流を感じよう!〜上映会&トークショー第4回『シルク』で台湾文化センターが震えた!

0516silk「台湾映画の新しい潮流を感じよう!〜上映会&トークショーも4回目を迎え、6月17日には『シルク』を上映しました。
この作品は台湾では数少ないサスペンス映画の成功例で、日本でも2006年東京国際映画祭、2008年に台湾シネマコレクションで特別上映されましたが、現在は日本での権利が切れている為、貴重な上映でした。
ジャンルとしてはサスペンスなのですが、ご覧になった皆さまからは「恐かった!」という声が多く寄せられ、ホラー要素が印象強かったようでした。

『シルク』は日本から江口洋介を迎え張震(チャン・チェン)とダブル主役のうえ、林嘉欣(カリーナ・ラム)、陳柏霖(チェン・ボーリン)、張鈞甯(チャン・チュンニン)、徐熙媛(バービィ・スー)という豪華キャストで話題になりました。
監督は名脚本家としても知られる蘇照彬(スー・チャオピン)、美術は日本の種田陽平です。
制作費2億元は当時としては最大で、この年国産映画の興行成績もトップ、2200万元をあげました。

0619silk1トークでは、この『シルク』の誕生について欠かせないの『ダブルビジョン』という映画の存在からお話ししました。
2002年にソニーピクチャーズがワールド・シネマ室を発足、香港、イギリス、ドイツ、スペイン、ブラジル、日本とのコラボで世界市場へ向けて配給というプロジェクトを立ち上げ11作のラインナップを発表、『シルク』は香港・台湾・アメリカの合作で製作されました。
デヴィッド・モース、梁家輝(レオン・カーフェイ)戴立忍(ダイ・リーレン)劉若英(レネ・リウ)らの出演で、監督はこの後プロデューサーとしてワールドワイドに活躍することになる陳国富(チェン・グォフー)、そしてこの脚本を手がけたのが蘇照彬です。
道教に出てくる一つの目に二つの瞳を持つ超人をモチーフにしたサイコ・スリラーで、感動的なラストでも評判になった作品です。

蘇照彬はとにかく名脚本家で、2006年の鈕承澤(ニウ・ チェンザー)監督の『ビバ!監督人生(原題:情非得已生存之道)」の中で、鈕承澤監督の脚本を売り込むプロデューサーが興味を持ってくれないクライアントに「実は蘇照彬の脚本もあるのですが」と切り出すと、クライアントが身を乗り出す…というシーンでパロディに使われるほど高く評価されています。
國立交通大學研究所の理系出身で、新竹市のIT研究所の研究員を経た蘇照彬は、大阪大学の科学者グループが一定の周波数の電磁波を1000万分の一秒吸収できるメンジャースポンジを開発したというニュースを読み、幽霊を捕まえることができるのではないかと考えたのが発端で『シルク』を製作。当時は日本やタイでホラー映画が活況を呈していましたが、普通の幽霊映画とは違う、単なるホラー映画ではないホラー、ミステリー、サスペンスをミックスしたものを作りたかったと当時語っていました。

0617silk2タイトルになった『シルク(原題:詭絲)』は、メンジャースポンジでとらえられた幽霊の少年から出るシルクの糸が、人間の感情を表現しています。細い絹糸が繋ぐのは形のない感情と感情の通い合い、様々な感情を繋ぐ糸ということでこのタイトルにしたそうです。
余命僅かの科学者(江口洋介)は、解脱を求めてこの少年のように幽霊になることを望み、少年と母を繋ぐのは"恨みの糸"と解釈するのですが、自らが植物状態の母を抱える刑事(張震)はこれが"愛情の糸"であることを理解するというのが、ふたりの運命が全く違う方向へと進む分かれ道になっています。
母と子の物語という一面、そして同僚(徐熙媛)の愛を受け入れられない科学者(江口洋介)、刑事(張震)とその恋人(林嘉欣)との絆という対照的な愛の形も興味深く見ることができます。

江口洋介の起用については、唐沢寿明と真田広之も候補だったそうですが、『白い巨塔』の演技が秀逸で複雑な人物を演じるにふさわしいと思いキャスティングしたということも当時の監督インタビューからお伝えしました。

0619silk3また、クライマックスの張震の車が激突したMRTの駅が西門站で、そこから松山新店線(撮影当時は小南門線)に乗り込むというシーン、林嘉欣が働く花屋は監督のオフィスの近くのカフェを借りた最近オシャレスポットとして人気の富錦街などのロケ地もご紹介しました。
そして、蘇照彬監督からのムービーメッセージも皆さんに喜んでいただけたようです。内容は以下の通りです。
「日本のみなさん、こんにちは。監督で脚本家の蘇照彬です。「シルク」は僕にとってとても重要な作品です。一つは、この作品で映画監督として少し成長したことと、この映画で、今後どんな映画も撮れるという自信を持ちました。
もう一つは、俳優の江口洋介さんと美術監督である種田陽平さんという日本の映画人と一緒に作ったことです。一緒に仕事してとても楽しかったし、僕の大きな支えでした。いまでも良き友人です。
今振り返ると、この映画は完璧ではありませんが僕の情熱がこの映画に焼き付けられているはずなので、見ていただいた皆さんにはきっと伝わっていると信じています。
次の作品は、スーパーヒーローものです。次回作も早く皆さんにお見せできればと思っています」

そして、『ダブルビジョン』から始まる台湾のサスペンス&ホラー映画の系譜として、簡単に以下の作品をご紹介しました。一部お話しするのを忘れてしまった重要な二作(※)も、ここに記しておきます。

2002年『ダブルビジョン』監督:陳国富 脚本:蘇照彬 出演:デヴィッド・モース、梁家輝、戴立忍
2005年『宅變』監督:陳正道 出演:關穎、陳大鏞、張毓晨、黃騰德
2006年『詭絲(シルク)』監督・脚本:蘇照彬 出演:江口洋介、張震、林嘉欣、徐熙媛、張鈞甯、陳柏霖
2010年『第四張畫(4枚目の似顔絵)』監督:鍾孟宏 出演:郝蕾、戴立忍、畢曉海(※)
2011年『命運化妝師(運命の死化粧師 )』監督:連奕琦 出演:隋棠、謝欣穎、張睿家、吳中天
2013年『甜蜜殺機(甘い殺意)』監督:連奕琦 出演:林依晨、蘇有朋
2013年『失魂』監督:鍾孟宏 出演:王羽、張孝全、戴立忍(※)
2015年『屍憶』監督:謝庭菡 プロデュース一:瀨隆重 謝欣穎、吳慷仁、田中千繪
    『青田街一號』監督:李中 張孝全 隋棠
    『紅衣小女孩』監督:程偉豪 黃河、許瑋甯
2016年『失控謊言』監督:樓一安 許瑋甯 王柏傑 陳庭妮
    『樓下的房客』監督:崔震東 脚本:九把刀 任達華 李康生

0619silk4さらに、抽選会では蘇照彬監督のサイン色紙(自筆似顔絵入り)、台北電影節の小冊子、台湾で発行されている日本語雑誌「な〜るほど・ザ・台湾」最新号、台湾ガイド本「LIP的台湾案内」をプレゼントしました。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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