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2016/09/11

台湾映画の新しい潮流を感じよう!~上映会&トークショー~第6回『九月に降る風』青春映画の名作に感動の波!

0911jiujianfheng19月になったとは言えまだ残暑が残る東京ですが、台湾文化センターで開催した台湾映画の新しい潮流を感じよう!~上映会&トークショー~第6回『九月に降る風』では、観客の皆さまに感動をお届けしました。
本作も残念ながら日本での権利が切れている為、台湾の権利元をはじめ日本のもと配給会社やソフトメーカーのご協力により今回の上映が実現できました。

本作は林書宇(トム・リン)監督の長編第一作で、1996年の夏を舞台に恋と友情、信頼と裏切りを描いた7人の野球好きな少年たちの成長物語です。2008年に台湾で公開され、台北電影節の審査員特別賞、王柏傑(ワン・ボージエ)の新人賞、脚本賞、メディア推薦賞を獲得、上海國際電影節ではアジアのニューシネマ部門の作品賞、さらに金馬奨でも脚本賞に輝きました。
日本では同年東京国際映画祭で上映された際に監督と王柏傑、邱翊橙(毛弟)が来日、翌年2009年一般公開されました。

0911jiujianfheng2映画化の経緯は、オリジナル脚本を読んだ台湾のタレントの曾宝儀(ツェン・バォイー)が、父親である香港映画の名優曾志偉(エリック・ツァン)に働きかけ、オリジナル脚本をもとに、出演者は男子7人、女子2人、大学に入る前の青春を描くというコンセプトで中国大陸と香港、台湾の若手監督3人による青春映画三部作として製作されました。
2008年の台北電影節では、本作と同時に香港バージョンの麦曦茵(マック・ヘイヤン)監督「烈日當空(HIGH NOON)」も上映されました。香港返還の1997年を舞台に、受験戦争を戦う学生たちの姿を恋や家庭の問題をからめて描き、香港独特のパッションが感じられる作品。しかし、中国版は完成したのかどうかも情報が入ってこないままです。

0911jiujianfheng3林書宇監督は1976年生まれで、世新大学で映画を学んだ後にカリフォルニア芸術大学院に留学。鄭文堂(チェン・ウエンタン)や蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)の助監督をつとめながら短編映画を製作、2005年の短編映画『海巡尖兵(海岸巡視兵)』で国内の映画賞を数々受賞し、日本でも「2006アジア海洋映画祭」で上映されました。
2008年の本作の後、2011年には台湾の人気絵本作家ジミーの『星空』を映画化し、高い評価を受け、大坂アジアン映画祭で上映。
2015年、ご自身が体験された最愛の奥様を亡くされた時の喪失感と再生への道のりをもとに作った『百日告別』が台北電影節のクロージング作品として上映され感動の嵐を呼びました。台湾の一般公開の後東京国際映画祭での上映時は、主演の石頭(Maydayのストーン)と来日しチケットはあっという間に売り切れました。

0911jiujianfheng4今回も、監督から以下のようなムービーメッセージをいただきました。
「日本の皆さんこんにちは。監督の林書宇(トム・リン)です。
『九月に降る風』は私にとって特別な作品です。なぜならこの作品は私にとって初めての長編作品だからです。
最初の作品はクリエーターにとってとても重要な位置を占めます。そしてこの映画は私個人の成長の物語です。
日本の皆さんにまた見てもらえるのはうれしいです。
撮影時は初めての長編だったので、同世代で旧知の仲のスタッフと、みんな一緒に勉強しながらこの作品で成長しました。
スタッフ・キャストとは沢山の想い出があり、今でもかけがえのない友人です。
この作品は単なる映画という風に一括りにする事はできない、人生の中の"真実の旅"のような体験だったと言えます」

0911jiujianfheng5作品解説では、エンディングテーマ曲「我期待」が、アーメイ=張恵妹(チャン・ホェイメイ)を育てたプロデューサーで1997年、31歳の若さで交通事故で亡くなった天才ミュージシャン張雨生(チャン・ユーシャン)あること、劇中のみんなのアイドル廖敏雄(リャオ・ミンション)が実際に台湾のプロ野球賭博疑惑でプロ野球界から追放された「時報鷹(China Time Eagles)」のスーパースターだった事、そして日本公開時に、斎藤工が日本版予告編でナレーションを担当、初日舞台あいさつで初家晴(ジェニファー・チュウ)と共に登壇したことなどをお話ししました。

0911jiujianfheng7また、今年3月に発売された雑誌「台湾エンタメパラダイス14」に書いた監督とロケ地の新竹を巡った記事の中からいくつかエピソードをご紹介し、観客の皆さんがとても興味深く聞いて下さいました。
そして、今年の台北電影節で、鳳小岳(リディアン・ヴォーン)、張捷(チャン・ジエ)、紀培慧(テレサ・チー)、沈威年(シェン・ウェイニェン)、初家晴(チュー・ジャーチン)、林祺泰(リン・チータイ)、李岳承(リー・ユエチェン)、邱翊橙(毛弟)が揃ってプレゼンターをつとめた事と、彼らのその後の活躍ぶりや新しい道に進んだこともお伝えしました。

更に、本作のメインキャストはほとんどが新人で、このことから台湾映画の新人起用と俳優育成事情についてもお話ししました。

0911jiujianfheng8最後に観客から、ロケ地となった竹東高校は日本統治時代に神社だったという話だが…という質問がありましたが、たいへん申し訳ないことに私も知らなかったので宿題とさせていただきました。
調べた結果、台湾の『九降風』オフィシャルサイトに、神社であったという記述があり、もと日本配給会社アジアリパブリックの社長が以前監督からそのことを聞いたというご連絡もいただき、これが事実であったことをご報告します。
確かに、校門から校舎までの長い階段、さらに奥の校舎にはまた階段が続くという地形は神社であったことが想像できます。

0911jiujianfheng9恒例のプレゼント抽選会は、台湾の権利元ご提供のポスター、ポストカードに監督にサインしていただいたもの、しおりセット、もと日本配給会社アジアリパブリックご提供の日本版パンフレット(キャストサイン入りを含む)と貴重なものばかりで、当たった方は羨ましい限りです。

主催:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター/アジアンパラダイス
協力:影志堂、林書宇監督、アジア・リパブリック・エンターテインメント株式会社、(株)アミューズ

0911jiujianfheng6『九月に降る風』(原題:九降風)
1997年夏。竹東高校卒業式の朝、タンは1年前の夏の出来事を独り静かに振り返っていた。そして、かけがえのない友との思い出を…。
1996年9月、新学年の始まりだ。タンたち7人は騒動を起こしては教官室に呼び出されるトラブルメイカーの常連メンバーでもあった。ある日歓楽街のビリヤード場でイェンと間違えられたタンは、イェンがナンパした女の子の恋人から襲われ、仲間たちを巻き込む大乱闘へと発展する。

監督・脚本:林書宇(トム・リン)
出演:張捷(チャン・ジエ)、鳳小岳(リディアン・ヴォーン)、王柏傑(ワン・ボージエ)、ジェニファー・チュウ(初家晴)、邱翊橙(モーデイ)
2008年台湾公開、2009年日本公開
Ⓒ影志堂

●今後の予定
10月15日(土) 作品:『セデック・バレの真実』
14時開映    トーク:台湾のドキュメンタリー映画に秀作が多いのは
            なぜか…。台湾の社会と文化、それを描く監督たちの
            意欲について。

12月3日(土) 作品:アンコール『藍色夏恋』!
           前回予約できなかった方から再上映希望の声多い為
           アンコールにお応えします。
14時開映    トーク:『藍色夏恋』の世界。金馬奨取材レポート。

※予定は変更になる可能性があります。

☆『九月に降る風(原題:九降風)』に関するこれまでの記事

2009/09/22
毛弟(マオディー)二度目の来日インタビュー!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2009/09/post-a21a.html

2009/09/06
初家晴(ジェニファー・チュウ)「九月に降る風」の初日舞台挨拶とインタビュー
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2009/09/post-8d8f.html

2009/06/25
林書宇(トム・リン)監督、来日インタビュー!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2009/06/post-2c33.html

2009/06/09
林書宇(トム・リン)監督 in 立教大学
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2009/06/in-060f.html

2008/10/13
「九月の風(九降風)」と張雨生、廖敏雄、王柏傑
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2008/10/post-85d4.html

2008/07/26
「九降風」と「烈日當空」〜台北電影節レポート4
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2008/07/post_6439.html

2008/06/22
「九降風」上海国際映画祭でアジア新人賞部門で作品賞受賞!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2008/06/post_1650.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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