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2016/10/16

台湾映画の新しい潮流を感じよう!〜上映会&トークショー〜第7回『セデック・バレの真実』、歴史の重みに深い感動!

0907sediqu110月15日に台湾文化センターで行いました台湾映画の新しい潮流を感じよう!〜上映会&トークショー〜第7回『セデック・バレの真実』は、このシリーズイベントに初参加の方々が多く、大好評のうちに終わりました。
本作は2時間24分という長尺のドキュメンタリーですが、ここで描かれる歴史の証言者たちのひと言ひと言、セデック族発祥の地を目指す山道の美しい自然などとても興味深くご覧いただけたようでした。

本作は魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)監督の歴史大作『セデック・バレ 第一部 太陽旗/第二部 虹の橋』で描かれた霧社事件から80年後に、祖先の発祥の地を目指して山を登る3人の男達の姿と、莫那魯道をはじめ高山初子、花岡一郎・二郎らの子孫たちの証言を構成したドキュメンタリー映画です。
『セデック・バレ 第一部 太陽旗/第二部 虹の橋』を見ていると、さらにわかりやすいと思いますが、ご覧になっていない方の為に雰囲気だけでもと思い、本編上映前に予告編を流し、簡単に製作の経緯と霧社事件について、湯湘竹(タン・シアンジュー)監督の紹介をしました。

0907sediqu2上映後は、あらためて詳しい製作の経緯からお話ししました。
本作は『セデック・バレ 第一部 太陽旗/第二部 虹の橋』がクランクインして2日目、魏徳聖監督が録音担当の湯湘竹(タン・シアンジュー)にこのドキュメンタリーの制作を持ちかけたのが始まりです。湯湘竹監督は台湾映画界の録音師として第一人者であるだけではなく、『海有多深』『山有多高』『路有多長』という3本を監督したドキュメンタリー作家でもあるため、魏徳聖監督が声をかけたといいます。

もともと霧社事件や歴史に興味を持っていた湯湘竹監督は即答し、『セデック・バレ 第一部 太陽旗/第二部 虹の橋』本編の制作中にこのドキュメンタリー制作の準備を開始。数え切れない資料を読破して、クランクアップ後すぐに、日本軍によってセデック族が強制移住させられた清流部落に取材に行ったそうです。
そして、ここでのリサーチ中に莫那魯道(モナ・ルダオ)の娘でただ一人生き残った馬紅莫那(マホン・モナ)の孫である張淑珍と運命的に遭遇、当初拒絶されたものの熱心に本作の趣旨を説明してようやく語ることを承諾してもらいました。

そうして2013年に完成した映画は金馬影展で上映、2014年に台北電影節で上映後、日本では同年8月23日から9月15日まで開催された「台湾巨匠傑作選」で上映されましたが、単独の一般公開はされていません。
そして、この年10月24日から台湾で公開されました。

そのほか、本作の縦軸となるセデック族発祥の地Pusu Qhuni(プスクフニ)という神石を訪ねる曾秋勝/巴萬那威(バワン・ナウェイ)父子3人の旅の経緯、登山途中の素晴らしい風景や彼らの様子の撮影方法や、撮影秘話などもご紹介しました。

1016sediqu1更に、台湾にはなぜこの様な優れたドキュメンタリーが多いのか、そしてそれが劇映画と同じように観客の支持を得て大ヒットする作品が続出している現状についてお話ししました。
1998年に台湾国際ドキュメンタリー映画祭がスタートし、2003年の『無米樂』は劇場でのヒットと共に台北電影節でグランプリを獲得、東京国際映画祭でも話題を呼びました。
2005年の『ジャンプ!ボーイズ(原題:翻滾吧男孩)』は金馬獎の最優秀ドキュメンタリー賞を獲得し、日本でも一般公開されました。

台北電影節では、2010年の『乘著光影旅行』から『沉沒之島』『爸爸節的禮物-小林滅村事件首部曲』『金城小子』『築巢人』『不能戳的秘密2:國家機器』と、2014年まで台北電影節の最高賞である100万元大賞をドキュメンタリーが5年連続で獲得。
2013年の齊柏林(チー・ボーリン)監督の『天空からの招待状(原題:看見台灣)』はドキュメンタリーとしては最大の2.2億元という興行収入を上げ、劇映画に混じって歴代14位という快挙となり、日本でも大阪アジアン映画祭で上映された後、一般公開されました。

2015年は200本製作されたドキュメンタリーの中14本が一般公開、うち7本はロードショー館のTOP36内という成績。
そのトップが『湾生回家』で、3000万元のスマッシュヒットでした。この映画は今年の大阪アジアン映画祭のオープニングを飾り、11月12日から岩波ホールで公開となります。

1016sediqu2台湾文化センターから始まり日本各地で上映の輪が広まった『太陽の子』も、もとはレカル・スミ監督の『海稲米的願望』というドキュメンタリーを劇映画化したものですし、間もなく始まる東京国際映画祭では、いま台湾で公開中の台湾の民歌(フォークソング)の歴史を綴った『四十年』が上映されます。
そのほか、台湾のドキュメンタリー作家と主な作品などもご紹介し、恒例の抽選会では配給会社のマクザムからご提供いただいた『セデック・バレ 第一部 太陽旗/第二部 虹の橋』のグッズをプレゼントしました。

0907sediqu3『セデック・バレの真実』(原題:餘生-賽德克.巴萊)
原題の『餘生』とは「生き残ったもの」という意味。
莫那魯道(モナ・ルダオ)の娘でただ一人生き残った馬紅莫那(マホン・モナ)の孫である張淑珍が語る短い生涯を悲しみの中で過ごした馬紅莫那のその後と、高山初子、花岡一郎・二郎、日本人警官佐塚愛祐ほかの子孫たちの証言と、聖地を目指すセデック族の男達の姿を綴る感動のドキュメンタリー。

プロデュース:魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)、黄志明(ホアン・ジーミン)
監督:湯湘竹(タン・シアンジュー)
撮影:姚宏易(ヤオ・ホンイー)
2013年台湾公開、2014年日本公開
Ⓒ果子電影

●今後の予定
12月3日(土) 作品:アンコール『藍色夏恋』!
            前回予約できなかった方から再上映希望の声多い為アンコールにお応えします。
14時開映    トーク:『藍色夏恋』の世界。金馬奨取材レポート。

※予定は変更になる可能性があります。

☆『セデック・バレの真実(原題:餘生-賽德克.巴萊)』に関するこれまでの記事とPodcast音声

2014/10/15 
『セデック・バレの真実』(原題:餘生-賽德克.巴萊)湯湘竹(タン・シアンジュー)監督インタビュー in 台北2014 パート4(Podcast音声)
http://asianparadise.sblo.jp/article/104609605.html

2014/10/8
『セデック・バレの真実』(原題:餘生-賽德克.巴萊)湯湘竹(タン・シアンジュー)監督インタビュー in 台北2014 パート3(Podcast音声)
http://asianparadise.sblo.jp/article/104333780.html

2014/09/29
『セデック・バレの真実』(原題:餘生-賽德克.巴萊)湯湘竹(タン・シアンジュー)監督インタビュー in 台北2014 パート2(Podcast音声)
http://asianparadise.sblo.jp/article/104030697.html

2014/09/22
『セデック・バレの真実』(原題:餘生-賽德克.巴萊)湯湘竹(タン・シアンジュー)監督インタビュー in 台北2014 パート1(Podcast音声)
http://asianparadise.sblo.jp/article/103839071.html

2014/09/20
『セデック・バレの真実』(原題:餘生-賽德克.巴萊)湯湘竹(タン・シアンジュー)監督インタビュー
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2014/09/post-9d8b.html

2013/11/16
金馬影展 感動のドキュメンタリー『餘生-賽德克.巴萊』
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2013/11/post-2556.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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