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2017/03/28

大阪アジアン映画祭、香港映画『女士の仇討』火火(ファイアー・リー)監督Q&Aとインタビュー!

0328fire1昨年の『荒らし(原題:老笠、日本公開タイトル:クレイジー・ナイン)』に続き、火火(ファイアー・リー)監督が新作『女士の仇討』をひっさげて第12回大阪アジアン映画祭に参加しました。
3月10日と12日の上映終了後にQ&Aを行い、アジアンパラダイスでは12日に単独インタビューをしました。

0328fire2『女士の仇討』は、ある男に三股かけられた女たちが復讐するという痛快バイオレンス&アクション・ムービーで、この暗殺者、泥棒、警官という女性たちを鄧麗欣(ステフィー・タン)、周秀娜(クリッシー・チャウ)、樂基兒(ゲイリー・ロック)が演じています。
Q&Aに登壇した火火監督はとても楽しく映画について語り、司会の宇田川幸洋さん独特の飄々としたおもしろさと実に絶妙な組み合わせで笑い声が絶えず盛り上がりました。

0328fire3冒頭、監督は「女性の方は"してやった!"と思われたでしょうし、男性の方は帰ったらご主人に優しくして上げて下さい」とご挨拶。
本作は去年の『荒らし』にも増してクレイジーな映画ですが、どこからこういう発想が出てくるのかということについて、こう語りました。
「私は子供の頃からやんちゃでした。映画を作るようになって、さらにやんちゃをやって良いのではないかと思いました。昔ちゃんとしたラブストーリーも撮りましたが、自分でもイマイチだなと思い自分の頭の中にあるキャラで作ってみたところ、お客様もこういうクレイジーなものを喜んでくれました。今では私は香港映画界で変態と呼ばれています」

0328fire4いつもヘンなことを考えているのかというツッコミにも
「普段は普通で、変態な部分は映画にこめています。これまで男性が見てうっぷんを晴らせるやんちゃな映画はたくさんありましたが、女性がストレスを発散できるような映画がなかったので、女性がスッキリできて家に帰ったらご主人にやさしくしてあげられるような映画を作りました」
と答えていました。

0328fire5今年の大阪アジアン映画際は香港映画がとても充実していて、女性映画が多いのですがこれも異端ではありますがその1本ですね、という司会者に、
「女性がヒーローという映画を作りたかったので」
と返す監督でしたが、その中には深い考察とこだわりがあることがこの後のインタビューでわかりました。

0328fire6観客から、かっこいい3人の女性主人公のボンテージファッションとセクシーなキャラクターについて質問がありました。
「女性は誰でもきれいだと思っているので、その辺のおばちゃんみたいでは映画として成り立たないと思います。もうひとつは、クリッシーとステフィーがもともと変態映画に出たいと思っていたそうですが、なかなか機会がなく、今回私が声をかけたら喜んで引き受けてくれました。特にクリッシーは、前作『荒らし』に出て、こういうのを絶対にやってみたいと言っていて、撮影中も"十分クレイジーになっている?"と聞いたくらい楽しんでいました。セクシーな部分についても、自分がなかなか言い出せなかった仕草を察知して、こうやれば良いんでしょ、と自発的にやってくれました」
作り手や出演者が楽しんでできあがった作品は、それが見る者にとてもよく伝わって来ますね。

0328fire7そしてQ&Aの直後にインタビューです。
興奮さめやらぬ中まず聞いたのは、3人の女性の復讐の対象である男デビッドを演じた俳優のことです。何故なら、このデビッドは最後まで顔が出なかったからです。
監督は、観客が自分が復讐したい人に置き換えやすいように、そして声も監督自身が吹き替えて、誰だかわからないようにしたそうです。
最後まで顔が出ないことを承諾して出演したのは、モデルで俳優の古天祥(カルロス・クー)でした。

0328fire8香港では若い女優の層が薄く、キャスティングにも苦労したのではないかと思いましたが、
「私は、今までやったことのない役をやらせるという習慣があります。おっしゃるように薄い層から候補はこの3人しかいなかった。みんなこういう役をやったことがないし、喜んで引き受けてくれました。誰か一人でも欠けていたら、この映画はできなかったでしょう」
と言っていました。

0328fire9とにかく楽しい監督で、わくわくしながらのインタビューでしたが、ご自身で"変態"という言葉を使って観客の心を掴んでいますが、この映画は単なる痛快アクションというだけではなく、女性に対する細かい監督の観察眼と思いやりから、とても深い設定になっていることに驚かされました。
「映画を作るときは、キャラクターやその行動が象徴するものを自分の中で筋を通して作っていきます」
という監督のポリシーに敬服するばかりです。

このインタビューは、5月8日からQ&Aと共にPodcast配信します。
どうぞお楽しみに!

0328killers『女士の仇討(原題:女士復仇』)2017年|香港
監督:火火(ファイアー・リー)
出演:鄧麗欣(ステフィー・タン)、周秀娜(クリッシー・チャウ)、樂基兒(ゲイリー・ロック)
大阪アジアン映画祭の作品紹介:http://www.oaff.jp/2017/ja/program/hk01.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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