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2017/05/31

台湾のドキュメンタリー映画『日曜日の散歩者 ―わすれられた台湾詩人たち―(原題:日曜日式散歩者)』8月公開決定!

0531moulin12016年、不作の台湾映画界で話題になったのが、ドキュメンタリー映画『日曜日式散歩者』でした。台湾でドキュメンタリー映画の秀作が多いことは特別なことではないのですが、これはその中でも異色の一本です。
本作は、1930年代、日本統治下の台南で日本語で詩を創作し、新しい台湾文学を創りだそうとした、モダニズム詩人団体「風車詩社」の記録です。但し、これまでのドキュメンタリー映画のスタイルとは異なり、詩の朗読、過去の写真やシュルレアリスム芸術作品を多用した貴重な資料映像、前衛的な手法の再現パートの、3つの要素で構成されるひとつの映像詩と言えるでしょう。

0531moulin22016年の台北国際ドキュメンタリー映画祭のグランプリ、台北電影奨で最優秀脚本賞と最優秀音響設計賞、金馬奨では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した本作は、世界各国の映画祭でも上映されました。
台湾でも歴史の波に埋もれ、忘却の彼方に置き去りにされていたモダニズム詩人団体「風車詩社」の文学を通して、当時の台湾と日本の関係や、政治弾圧という社会的な側面が浮かび上がります。
日本語で創作する事への葛藤を抱きながらも、ジャン・コクトーや西洋モダニズム文学への憧れを、美しく軽やかな日本語で昇華させた文学作品は、純粋なまでの芸術性と語感を持って、80年以上の時を経ても色褪せない独自の文学として私たちを魅了します。

0531moulin3【物語】
1930年代、日本による植民地支配が40年近く経過した台湾は、安定した同化の段階に至っていた。この時期において台湾に登場したのが、モダニズム詩人の団体としては最も早い、「風車詩社」である。
日本の文学者たちとの交流や、留学先の日本で最先端の文化や芸術に触れる中で、西洋モダニズム文学の波は、台湾の若き詩人たちに大きな衝撃をもたらした。マルセル・プルースト、ジャン・コクトーなど、西洋モダニズム文学に対し大きな憧れを抱いた彼らは、仕事が休みの日曜日になると、古都・台南を散歩しながら、シュルレアリスム詩について語り合った。母国語ではない日本語で詩作する事への葛藤と哀しみを抱きつつ、彼らは自分たちの台湾文学を築こうと、同人雑誌『風車』を創刊した。しかし植民地支配下の台湾ではプロレタリア文学が主流であり、彼らのシュルレアリスム詩は理解されず、風車詩社は1年半で活動を終える。
1937年、盧溝橋事件をきっかけに日中戦争が勃発する。日本の敗戦を経て、戦後は蒋介石の中国国民党による独裁時代へと移っていく。1947年の二二八事件では、風車詩社の主要メンバーであった楊熾昌と張良典が無実の罪で入獄させられ、1952年には白色テロによって李張瑞が銃殺された。
日本語で自分たちの新しい台湾文学を築こうとした、シュルレアリスム詩人たちの葛藤と、その時代の日本人文学者たちとの交流、そして西洋モダニズム文学のもたらした衝撃が、貴重な資料映像と、彼らの詩と共に映し出されていく。

『日曜日の散歩者 ―わすれられた台湾詩人たち―』
監督:黃亞歷(ホアン・ヤーリー)
撮影:黃亞歷(ホアン・ヤーリー)、蔡維隆(ツァイ・ウェイロン)
出演:梁俊文(リァン・チュンウェン)、李銘偉(リー・ミンウェイ)、沈君石(イアン・シェン)、
沈華良(イーブン・シェン)、何裕天(デヴン・ホー)
配給:ダゲレオ出版
配給協力/宣伝:太秦
©2015 Roots Fims Fisfisa Media All Rights Reserved.
2015|台湾|カラー|DCP|5.1ch|162分
公式サイト:www.sunpoday.com

8月よりシアター・イメージフォーラム他全国順次公開!

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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