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2017/07/23

香港映画『十年』蔡廉明(アンドリュー・チョイ)プロデューサーと伍嘉良(ン・ガーリョン)監督が初日舞台挨拶!

0723xinian7月22 日(土)、新宿 K’s cinema で香港映画『十年』が公開され、満席の中エグゼクティブ・プロデューサーの蔡廉明(アンドリュー・チョイ)、プロデューサーで第 5 話『地元産の卵』の伍嘉良(ン・ガーリョン)の Q&A が行われました。
Q&A が行われたのは、初日第 1 回目 12 時 20 分の回上映終了後。
開始 1 時間前には、既に整理券が無くなる人気で、本 作で香港映画の流れを変えたと言われるプロデューサー2 人の登場に、会場は熱気に包まれた Q&A となリました。

本作でエグゼ クティブ・プロデューサーを務めた蔡廉明は、この企画を伍嘉良監督と立ち上げ、一緒にまず残りの監督(4 作)を 探す作業をし、配給・上映等の部分で担当。プロデューサーの伍嘉良は、作品の考え方、各監督の考えをどう作品に 反映させるか等、監督たちとの作品に関する話し合いを担当しています。
また第 5 作の監督を担当しているので、その部分では 監督業に集中していました。

蔡廉明エグゼクティブ・プロデューサー(*以降P)
「本日第 1 回目の上映満席ということで、足を運んで頂いたことに感謝しています」
伍嘉良) プロデューサー&第5話「地元産の卵」監督(*以降D)
「『十年』が日本で正式上映されてうれしいです。また今の香港の現状というものを皆様と分かち合えればうれしいです」

0427xinian2Q:香港では今繁体字が使われていますが、簡体字を使う要求というものが具体的にあったのでしょうか?
D:ご質問にあるような簡体字を使う要求というのは政府からは来ていません。ただ香港のほとんどの学校においては国語は 北京語(普通語)に変わっています。私たちとしては国語というと広東語を習ってきたのですが、今北京語に変わっています。 広東語にも豊富な物言いがあるはずなのに、今それが無くなってしまうのではないかと危惧し、この作品を作りました。
すでに中国国内ではいくつかの地域で、実際に北京語のテストに合格しないと空港等公共施設でお客さんを載せられないとい う映画のようなことが起こっています。香港でもいずれそうなるのではないか、広東語の立ち位置が変わっていくのではないか と危惧していました。

Q:金像賞を取った後、日本のニュースでなかなか活躍の場が難しいという記事も読んだことがありますが、現在どのような状 況なのでしょうか。
P:2015 年に約 8 週間上映されました。ずっと満席だったのですが、原因は不明ですが上映が突然終了しました。その後、金像賞を獲ったのですが、いろんな反応があり、特に中国国内の新聞では批判的なことを言われたりもしました。私たちは今後も創作活動を続けていきますし、準備している事もあります。ただ、金像奨を獲ったあと、作品にかかわったスタッフは中国本土には入っていません。入るなとも禁止とも言われていないですが、気を付けるに越したことはないので、入っていません。
D:いろんなところから話もきてプロデュースをやってくれという話も来たのですが、出資者がこの作品の監督でプロデューサ ーだとわかったとたん、先方から「今回はご遠慮願いたい」というお話があったことがあります。ただそれは悪い事とは考えていません。相手がそういう考えの方だとわかり、創作活動にその考えを織り込むなら、最初にわかった方が自分としてはプラスに なると思います。

Q:なぜ 2047 年(一国二制度の期限)ではなく 2025 年に着眼したのでしょうか?
D:この作品を作るときに、時間をどこに設定するかというのは話し合いました。2025 年にしたのは、今生まれた子供でも、今 既に年をとっている方でも、かかわる可能性が高い。20 年後、30 年後だと関わらない可能性があります。でも10 年後は、今こ の作品を見ている人がすべてかかわる時間だったからです。そして人間の一生の中で 10 年というのがひとつのターニングポ イントになることが多いので、そういう意味でも 10 年にしました。
もうひとつは、変化するにはある程度の時間上のプロセスが必要なので、10 年という期間を想像した時に、すぐに変えなきゃい けないのか、ゆっくりプロセスを変えていかなきゃいけないのか、というのを考えながら 10 年という時間にさせて頂きました。
P:もっと現実的な問題としては、製作費がそんなになかったので、50 年後という形にするともっと大掛かりなセットが必要にな るかもしれないので、この製作資金では撮れなかったというのもあります。

Q:香港の社会が変わっていく中で、製作中の出来事で脚本が変わったこと、撮影場所が変わったことはありましたか?
P:実は少しあります。撮影に入るところで雨傘運動が起こりました。大きな社会の変化が起こったので、何人かの監督は作品の中に新たに反映をさせようと変更した部分はありました。雨傘運動の後、例えば催涙弾のシーンを撮りたいとロケ地を申請していたのですが、催涙弾だったら許可しないということがあり、変更を余儀なくされたこともあります。ただ最初から、社会 が大きく変わっても 10 年後の香港を描くという、最初からの考えは変わっていません。
D:撮影中、雨傘運動という社会的に大きなうねりがありましたので、脚本の変更もありました。その後、香港は大きく変わった部分があります。特に政府の発言、例えば普通選挙に関して等、どんどんおかしくなって行きましたので、それに合わせて脚 本を修正したりしました。この先このままだと香港はどうなっていくのか、想像しながら作っていますので、リアルに起こっている 部分も脚本に反映させながら、書いて行っています。
雨傘運動の前とあとで変わった部分としては、最後に卵を投げて親に怒られるシーンです。やってはいけない訳ではないけど、 やらない方がいいという、中途半端な状況に置かれているというのも自分の脚本の中に反映させました。

0318xinian2蔡廉明(アンドリュー・チョイ)プロデューサー プロフィル
中国で神学を学び、その後アメリカ リージェント大学でテレビ・映画の製作を学び、カナダ マニ トバ大学で理学を学ぶ。デジタルメディア、WEB、ビデオプロダクション等、メディア関連の仕事を 経験。若手監督たちの才能を助け応援するために、ショートフィルムフェスティバルを組織する。 また一方で様々なドキュメン タリー映画のプロデューサーを務める。作品としては『Fading Marketplaces』『 Move with the Times』がある。長編のプロデュー サーとしては『Final Project』『十年』がある。

0318xinian6伍嘉良(ン・ガーリョン)プロデューサー兼監督 プロフィル
香港理工大学デザイン学部卒業、「80 後」と呼ばれる、1980 年代 生まれ。映画とテレビドラマの製作に携わり、2012 年 『Fading Marketplaces』 のプロジェクトを立ち上げ、マーケットに関する討論会を開いた。2014 年、 香港の人々が過去を共有し、現在を認識し、未来のプラットホームを構築す る事が出来るよう希望して、本作のプロジェクトを立ち上げた。

●物語
「エキストラ」
労働節(メーデー)の集会会場のある一室。2 人の男が銃で来場者を脅そうと密かに準備を進めている...。
「冬のセミ」
壊れた建物の壁、街に残された日用品など、黙示録の中の世界になったような香港で、一組の男女が標本を作製している。
「方言」
タクシー運転手に普通話の試験が課せられ、受からないと香港内で仕事ができる場所に制限がかかるようになる。
「焼身自殺者」
ある早朝、英国領事館前で焼身自殺があった。身元もわからず遺書もない。一体誰が何のために行ったのか!?
「地元産の卵」
香港最後の養鶏場が閉鎖された。【地元産】と書かれた卵を売るサムは、良くないリストに入っている言葉だと注意を受ける。

プロデューサー:アンドリュー・チョイ(蔡康明)/ン・ガーリョン(伍嘉良)
監督:「エキストラ」クォック・ジョン(郭臻)
   「冬のセミ」ウォン・フェイパン(黄飛鵬)
   「方言」ジェヴォンズ・アウ(歐文傑)
   「焼身自殺者」キウィ・チョウ(周冠威)
   「地元産の卵」ン・ガーリョン(伍嘉良)
2015/香港/広東語/DCP ステレオ/104 分/英題:TEN YEARS
配給:スノーフレイク
公式サイト:www.tenyears-movie.com
7月22日(土)より新宿 K’s cinema 他にて全国順次公開。

※これまでの『十年』に関する記事とPodcast(音声配信)

2017/07/04
返還20年目を迎えた香港の【今】を描く社会派問題作!!『十年』、蔡廉明(アンドリュー・チョイ)プロデューサーと伍嘉良(ン・ガーリョン)監督の来日決定!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2017/07/20-417b.html

2017/04/27
衝撃の香港映画『十年』日本版メインビジュアル発表!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2017/04/post-1138.html

2017/03/10
衝撃の香港映画『十年』7月に日本公開決定!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2017/03/7-744f.html

2016/07/22
2016年台北電影節で上映された香港映画に見る"いま"
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2016/07/2016-0392.html

2016/04/06
第三十五屆香港電影金像獎作品賞受賞記念で緊急配信!大阪アジアン映画祭、『十年』監督&プロデューサーインタビュー
http://asianparadise.sblo.jp/article/174785208.html

2016/04/04
第三十五屆香港電影金像獎、作品賞は『十年』に!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2016/04/post-e521.html

2016/03/18
大阪アジアン映画祭香港映画『十年』監督&プロデューサーQ&Aとインタビュー
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2016/03/post-3b45.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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