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2017/08/05

台湾映画の新しい潮流を感じよう!〜上映会&トークショー〜第6回『天龍一座がゆく(原題:龍飛鳳舞)』満席!満足度100%!

0805event18月5日に「台湾映画の新しい潮流を感じよう!〜上映会&トークショー〜」第6回『天龍一座がゆく(原題:龍飛鳳舞)』が台湾文化センターで行われ、今回も大勢のお客様に来ていただき、アンケートでの満足度は100%でした。
本作は、大ヒットとなった『父の初七日(原題:父後七日)』の王育麟(ワン・ユーリン)監督の長編第二作で、台湾で2012年の旧正月映画として公開されたハートフル・コメディです。

0805event2台湾の伝統芸能「歌仔戲(グアヒ)」の一座を描いた本作は、アジアフォーカス福岡国際映画祭で上映されただけで日本では一般公開されていません。前々からなんとかこの映画を日本の皆さんに見ていただきたいと思っていて、今回、台湾の権利元である王育麟監督の蔓菲聯爾創意製作有限公司アジアフォーカス・福岡国際映画祭福岡市総合図書館 映像資料課、映画祭で字幕を担当された鈴木真理子さん、そして福岡との仲介の労をとって下さった字幕翻訳家渋谷裕子さんのご協力により上映が実現しました。

上映後のトークでは、この上映の経緯や映画の重要な背景、歌仔戲(グアヒ)についての説明、監督、メインキャストの紹介、音楽についてお話ししました。

0805event3まず、歌仔戲(グアヒ)について。
これは日本統治時代1900年代前後の宜蘭で発祥したと言われる台湾の伝統芸能で、世間でよく知られているおもしろい民間伝説をもとにした時代劇を台灣語で演じ歌います。一見すると京劇などに似ていますが、台詞は日常生活の言葉づかいで、音楽も馴染みのある台湾演歌。劇伴は月琴、二胡、三弦といった中国の伝統楽器による生演奏です。
日本の大衆演劇をイメージしてもらえるとわかりやすいでしょう。舞踊ショーや歌謡ショーがあるのも似ています。日本の大衆演劇は、女形のスターが多いですが、歌仔戲(グアヒ)は宝塚のように女性による男役スターが多いようです。
京劇や歌舞伎よりも庶民的で親しみやすく、猥雑なところがあるのも魅力、というところも共通しているように思います。
お寺や廟、街の広場などで公演する移動劇団なので、映画の中では冒頭で台風に見舞われて暴風雨の中で必死に演じている裏で、死にものぐるいで仮設の小屋を人力で支えているのですが、ついには吹き飛ばされてしまうとか、すごく狭いところに舞台を設置した為に、立ち回りの時に劇伴の演奏者たちがそれをよけながら・・・みたいなエピソードも盛り込まれ、笑わせてくれます。
旅芝居やサーカスなど、古くからある移動型のエンターテインメントは、“手の届くアイドル”の原点かも知れません。

0805event4劇中で使われる音楽も、甄妮(ジェニー・ツェン)の〈海誓山盟〉、崔苔菁(ツイ・タイチン)の〈乘風破浪〉はじめ、主人公の身代わりとなる清掃員の奇米(チミー)の生い立ちが明かされていくところでは鳳飛飛(フォン・フェイフェイ)の〈牽成阮的愛〉。
主人公のインド癒しの旅では關淑怡(シャーリー・クァン)の〈忘記他〉が、そしてラストに主人公がワイヤーで舞台に飛んでくるシーンからエンディングにかけて阿密特(アミト)の〈好膽你就來〉でパワフルに締めくくります。映画の内容とキャラクターによく合った絶妙の選曲です。

0805event5主役の看板スターを演じる郭春美(グォ・チュンメイ)は、実際に「春美歌仔戲劇團」の団長として活躍している人です。
舞台での男装の演技はもちろん、ひとりの女性に戻った時の色香も素敵です。
1964年に高雄の歌仔戲の家に生まれで13才で初舞台、17才でトップスターになりました。
その後いくつかの劇団で経験を積み、2000年に座長となる春美歌劇團を設立。台湾各地で公演する人気スターで、本作では第49屆金馬獎の新人賞にノミネートされました。

前作「父の初七日」で道士を演じた呉朋奉(ウー・ポンフォン)も、最初はダメ男だけど舞台復帰してりりしい立ち役を見せてくれます。
この人は台湾の名優で、舞台、映画、テレビで大活躍、「父の初七日」で第47屆金馬獎の助演男優賞、2011年の「歸途」では第13屆台北電影節の主演男優賞を獲得しています。
最近公開された日本映画「ママ、ごはんまだ?」で、一青窈・妙姉妹の父親役を演じています。白羽弥仁監督にキャスティングの理由をお聞きすると『父の初七日』を見て決めたと言っていました。

ほかにも、太保、張詩盈、王莉雯ほか、「父の初七日」にも出演していた魅力的なキャストが揃っています。

0805event6そして、今回も監督からムービーメッセージが届きました。
内容は以下の通りです。
「皆さんこんにちは。「天龍一座が行く」の監督王育麟です。
この映画は5年前、2012年に撮影し完成した作品です。
台湾の歌仔戲の劇団の物語です。
歌仔戲の劇団は台湾の中小企業のようなもの。
劇団の核となる家族の劇団経営と生活を描きました。
台湾で歌仔戲は100年あまりの歴史がありますが、社会の変化は早く 今の若い人たちは歌仔戲の文化や歴史をあまりよく知らないでしょう。
この映画の目的のひとつはそれを記録し残し、そして伝えたかった。
日本皆さんに気に入ってもらえるとうれしいです」

0805event7王育麟監督は1990年に映画界に入り、楊德昌(エドワード・ヤン)監督の「牯嶺街少年殺人事件」のスタッフも経験、テレビ映画やドキュメンタリーの脚本・監督・プロデューサーとして活躍を続け数々の受賞記録があります。2010年に初の長編劇映画『父後七日』が大ヒット、本作を経て三作目となる最新作は、今年10月に台湾で公開される『阿莉芙』。台北で美容師として働く原住民のゲイの青年が主人公で、彼の生き方や彼を取り巻く仲間や家族の人間模様を描いた笑って泣けるヒューマンドラマです。
先月、監督のオフィスでまだ未完成の本編を見せてもらいましたが、とってもおもしろいです。
監督から予告編も送ってもらいましたので、観客の皆さんに見ていただきました。
ここでは、公式YouTubeでご覧下さい。

0805event8さて、6月29日から7月16日まで行われた台北電影節を取材してきましたので、その様子を写真と共にお伝えしました。
最高賞の100万元大賞ほか長編劇映画賞、編集賞、音楽賞、美術デザイン賞の5部門を制したのは、黃信堯(ホアン・シンヤオ)監督の『大佛普拉斯』。
2014年に同映画祭で上映された独特のブラックユーモアと台湾の生命力がみなぎる短編『大佛』を長編にしたもので、当時の審査員だった鍾孟宏(チョン・モンホン)監督が気に入り長編化されました。自らプロデューサーを買って出た鍾孟宏監督は、中島長雄名義で撮影も担当しています。
内容は、仏像を作る工場の警備員が、社長のドライブレコーダーを盗み見ることから展開するブラックユーモアです。
社長役の戴立忍(ダイ・リーレン)の演技はさすがで、警備員の陳竹昇(チェン・ジュウシェン)も味わい深く、主演男優賞で最後まで競り合いました。

0805event9台北電影奨では歴史的に強いドキュメンタリー部門ですが、審査員の易智言(イー・ツーイエン)監督が今年も秀作揃いだと言っていましたが、カメラを通して同性愛者の母親と向き合う黃惠偵(ホアン・フイチェン)の『日常對話』が受賞しました。


0805event10短編部門は、予想通り獄中の張作驥(チャン・ツォーチ)監督が刑務所での生活を綴った短編小説を映画化した『鹹水雞的滋味』でした。
制作スタッフは全て受刑者、俳優も受刑者と刑務官、制作は法務部矯正署台北監獄という異例の作品です。
もちろん監督は服役中ですので、台北監獄副典獄長代=刑務所の副所長がトロフィーを受け取りました。

0805event11主演男優賞は現代社会が抱える闇と正義感を描いた『白蟻-慾望謎網』の吳慷仁(ウー・カンレン)。テレビのアワード金鐘奨で一昨年助演男優賞、去年主演男優賞、そして今年台北電影獎で主演男優賞ですから、凄いスピードでのステップアップです。
しかし圧勝だったわけではなく、『大佛普拉斯』の陳竹昇(チェン・ジュウシェン)、『川流之島』の鄭人碩(チェン・レンシュオ)と3人の候補が審査員の間で一時間半も討論され、その結果僅差で決定したそうです。
映画祭が開幕する前にインタビューしたのですが、今後は映画中心に俳優活動をしていくと言っていたので、今回の受賞はかなり励みになったのではないかと思います。
映画大使をつとめ主演男優賞獲得と、今年の台北電影節はまるで"吳慷仁祭り"。

0805event12主演女優賞は尹馨(イン・シェン)です。
映画、ドラマ、舞台で活躍する受賞歴も多い演技派です。ドラマアワード金鐘獎では3回も主演女優賞に輝き、台北電影奨では2013年の『權力過程』で助演女優賞、そして今回は社会の片隅で生きるシングルマザーを演じた『川流之島』で見事主演女優賞を獲得しました。
『德布西森林』の桂綸鎂(グイ・ルンメイ)、『順雲』の陳季霞(チェン・リーシア)、『再見瓦城』の吳可熙(ウー・カーシー)との激烈な争いの結果の授賞だそうです。

0805event13助演男優賞は、『強尼.凱克』の黄遠(ホアン・ユエン)。2010年に王小棣(ワン・シャオディ)監督に見出されて映画『酷馬』での主役デビュー以来、立て続けの映画やドラマの主演作で受賞歴を持つ若手実力派です。
次回作のためかスキンヘッドが大人っぽく見えますが、まだ26才。これからが楽しみです。

0805event14『順雲』で助演女優賞に輝いた劉引商(リウ・インシャン)は芸歴50年、60作を超える作品に出演し80才にして初の受賞を果たしました。登壇した時には、会場の全員が起立して敬意を表していました。

新人賞に輝いたのは、『強尼.凱克』の瑞瑪 席丹(リマ・ジタン)、台湾とレバノンのハーフで台湾生まれのレバノン育ちです。

今年の司会は、『太陽の子』の主演女優でシンガーソングライター、司会者と多才な阿洛.卡力亭.巴奇辣(アロ・カリティン・パチラル)。
プレゼンターも豪華でした。

0805event15今回の台北電影節で特徴的だったことは、初めてドラマの第一話が上映されたことです。
これから放送の期待作『他們在畢業的前一天爆炸2』と『麻醉風暴2』。
もともとこの二作を制作・放送する公共電視は、映画クォリティの単発ドラマ「電視電影」と呼び「人生劇展」「學生劇展」という枠でを放送し、台北電影節や金馬影展で上映されることが常でした。
しかし、連続ドラマを放送前に映画祭で見せるというのは初めてです。この二作はテレビアワード金鐘奨で総なめレベルのクォリティの高さであり、期待の続編ということですから、今回の台北電影節でのお披露目は良い試みと言えるでしょう。
そして、観客投票の一位が『麻醉風暴2』でした。でも映画ではないので観客賞は投票数2位のドキュメンタリー『徐自強的練習題』になりました。
確かにこのドラマ2作はものすごくおもしろくドラマ全体の底上げに貢献していますので、来年はぜひこれに負けない映画が上映されることを期待します。

0805event16最後に、恒例の抽選会では、『天龍一座がゆく(原題:龍飛鳳舞)』のオリジナルTシャツ、監督のサインとメッセージ入りの紅包(祝儀袋)、台北電影節のパンフレット、雑誌「な〜るほど・ザ・台湾」を計18名の方にプレゼントしました。

次回は9月9日に『台北の朝、僕は恋をする』の上映と、台湾映画のロケ地についてお話しします。
お申し込みは8月9日の10:00から、台湾文化センターのHPから。
ご応募お待ちしています。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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