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2017/12/29

2017年の中国映画を振り返る

1229wolf中国映画界の活況は相変わらずですが、またまた記録を作りました。『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー(原題:戦狼2 )』が全世界興収1000億円突破、アジア歴代1位の観客動員数となりました。呉京(ウー・ジン)監督・主演のこのミリタリーアクションは7月に中国で公開され、わずか7日で『人魚姫』(33億9200万元)を越え、アジアの歴代興行収入を塗り替えナンバーワンに。
日本では1月12日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国拡大ロードショーが決定しました。

1229goku今年動員力があったのはやはり大規模のアクションで、『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』のほか徐克(ツイ・ハーク)監督の『西遊記2 妖怪の逆襲(原題:西游伏妖篇)』や彭于晏(エディ・ポン)が孫悟空を演じた郭子健(デレク・クォック)監督の『悟空伝(原題:悟空傳)』、インドとの合作『カンフー・ヨガ(原題:功夫瑜伽)』もベスト10の上位です。
アクション・コメディの『羞羞的铁拳』、アクション・アドベンチャーの『大闹天竺 』も好成績をあげています。

1229fanhuaヒット監督の馮小剛(フォン・シャオガン)は、1970~80年代を舞台に、共産党傘下の芸術団に所属する団員たちの青春と運命に翻弄される姿を描いた『芳華』が堂々のランクイン。ベトナムで開催されるAPEC首脳会議の時期と重なり、急な上映延期は中越戦争を描いたことが理由ではないかと言われたこともありました。
少なくなった青春映画では、韓寒(ハン・ハン)監督の『乘風破浪』がベスト10入りしました。彭于晏(エディ・ポン)、鄧超(ダン・チャオ)という人気スターに加え、歌手の李榮浩(リー・ロンハオ)も出演しています。

1229mekon第31回金鶏奨では林超賢(ダンテ・ラム)監督の『オペレーション・メコン(原題:湄公河行動)』が作品賞、主演男優賞は『烈日灼心』の鄧超、主演女優賞は『モンスター・ハント』の白百合(バイバイ・ホー)が受賞しました。
上海国際映画祭の金爵奨では、『氷の下(原題:冰之下)』の黄渤(ホアン・ボー)が男優賞を獲得しています。

1229namiya今年の中国映画界では日本の小説の映画化や日本映画のリメイクが目立ちましたが、公開中の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』のリメイク『解憂雜貨店』以外は残念ながら成功していません。
『容疑者Xの献身』を蘇有朋(アレック・スー)監督がリメイクした『嫌疑人X的献身』、山田洋次監督の『家族はつらいよ』のリメイク『麻煩家族』、島田荘司原作の「夏、19歳の肖像」を映画化した『夏天十九歳的肖像』など。理由は、うまくローカライズできていないからだと言われています。
呉宇森(ジョン・ウー)監督で福山雅治主演の『追捕』は、『君よ憤怒の河を渉れ』のリメイクというよりは、佐藤純彌監督作品へのオマージュ+西村寿行の原作をもとにした映画と言った方が良いのかも知れません。こちらは『マンハント』の邦題で2月9日から日本公開です。

また、これから坂口健太郎主演の『君と100回目の恋』や岩井俊二監督の『Love Letter』のリメイクが予定されていますが、どうなるのでしょうか。

1229yinbaozhe賞にも興行成績にも無縁ですが、個人的には金馬影展で見た『引爆者』と『暴裂無聲』が一番印象に残っています。
『引爆者』は、爆発物処理のプロが鉱山での爆発事故に疑問を抱き真相を解明しようとするのですが、マフィアの陰謀で容疑者として警察にも追われる身に…というサスペンスです。
監督は常征(チャン・ジェン)、主演の売れっ子俳優段奕宏(ダン・イーホン)は色気があって素敵です。

1229baolie『心迷宮』で大好きになった忻鈺坤(シン・ユーカン)監督の新作『暴裂無聲』は、鉱山事故で聴覚を失った男が行方不明になった息子を探すうち犯罪に巻き込まれていくというストーリー。『心迷宮』同様人の心の弱さや闇を巧みに描き、一瞬ファンタジー?と思わせながらの一筋縄ではいかない表現に唸らされます。
一番すごいと思ったのは、普通だったら当局に許可されない結末をうまく二重構造にしているところです。
この2作、日本語字幕でぜひ見たい作品です。

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