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2018/09/23

台湾映画上映&トークイベント〜台湾映画の"いま" 第七回『古代ロボットの秘密』プロデューサーのトークとキャラクター・パフォーマンスに大盛り上がり!

0923event19月22日に台湾文化センターで実施した台湾映画上映&トークイベント〜台湾映画の"いま" 第七回『古代ロボットの秘密』は、超満席の中、プロデューサーによるゲストトークとサプライズの猫叔(ミャオシュー)による人形操演&キャラクター・パフォーマンスに会場は沸きに沸きました。
本作は台湾の伝統的な人形劇「布袋戲」をベースに、新キャラクターとオリジナルストーリーで創り上げた冒険ファンタジー映画で、CGではなく実際に人形を動かしてそれを撮影するという手法は、日本と合作して成功した「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」の原点とも言える作品です。

2015年に3D映画として製作されましたが、今回は機材の関係で2Dでご覧いただきました。
「人形の動きが素晴らしい!」「ストーリーもおもしろくて感動した」など、アンケートでも賞賛の声をいただき、スタッフ一同とてもうれしく思っています。

0923event2今回は、思いがけず人形操演師の大御所である猫叔(ミャオシュー)さんと12人のパフォーマーの方々に来ていただけることとなり、サプライズとしてミニステージを実現することができました。
霹靂布袋戲の素還真(ソカンシン)、銀鍠朱武(インホァンジューウー)、騶山棋一(ゾウシャンチーイー)、『古代ロボットの秘密』から張彤(チャントォン)、安羅伽(アンローチェ)、神女:菲兒(シェンニュー:フェイアー)、『Thunderbolt Fantasy』より凜雪鴉(リンセツア)、浪巫謠(ロウフヨウ)、獵魅(リョウミ)、凋命(チョウメイ)、殺無生(セツムショウ)、蔑天骸(ベツテンガイ)、そして人形は張墨(チャンモォ)と凜雪鴉を猫叔さんが操演してくれました。
霹靂布袋戲のファンの方はもとより、初めて生の人形操演を見た方を含めお客様の興奮が伝わって来て、場内はハイテンション。
パフォーマンス終了後は、猫叔さんと凜雪鴉、コスプレイヤーが客席で皆さんと一緒に記念撮影しました。

0923event3興奮さめやらぬ中、パフォーマンス中にキャラクター解説をしてくれた霹靂国際マルチメディア映画テレビ制作センターのプロデューサー西本有里さんによるトークの開始です。
お話しの概要をお伝えします。

布袋劇とは:
布袋劇の起源は17世紀、中国福建省の泉州、漳州、潮州及び台湾などに伝わる布で作った人形を使用し演出する地方芸能です。人形の頭は木で彫刻した空洞のもので、手足以外の体の中心部分及び腕や太ももは全て布の衣装で出来ており、演出をする際は、手を人形の衣装の中に入れて操演します。「布袋劇」又の名は「掌中戲」。人形の衣装が袋状の布で作られており、手(手掌)で操演する為、このような名前がついたと言われています。

0923event4布袋劇の歴史:
1750年代、閩南語を話す大量の漢民族が台湾に移民し、布袋劇も生活の中に溶け込んでいきました。布袋劇の脚本は古書、歴史小説をメインとし、語りは雅な詩句が多く、細かい動きを追求し、音楽は南管音楽や北管音楽が主流でした。

1920年代には武俠アクションをメインとした布袋劇が発展し、伝統的な布袋劇とはストーリーが異なり、多くは清朝末期、中華民国初期の武侠小説を採用した“劍俠布袋劇”が人気となりました。

1930年代には台湾総督府が皇民化運動を推進した為、布袋劇にも変化をもたらしました。中国の伝統的な北管の銅鑼、太鼓を西洋の楽器に変え、演目の多くは『鞍馬天狗』、『猿飛佐助』、『水戸黄門』など日本の脚本を使用、人形も多くは日本の衣装や造形となり、日本語での演出も増えました。皇民化布袋劇は言語の問題もあり、台湾の民衆には受け入れられませんでしたが、表現手法は後の金光布袋劇の演出方法やセット、音楽に影響を与えています。

0923event5戦後、1950年代には中南部各地において金光布袋劇が野外舞台の形式で発展、金光布袋劇は、華麗なセットや衣装を使用し、ライティングなどにおいて特殊効果を駆使し、アクションシーンの演出技術が高まりました。この時代に雲林布袋劇一家黄家の二代目となる黄海岱が活躍しました。

1970年、黄海岱の息子である黄俊雄が率いる真五洲劇団はもともと映画館で上映していた『雲洲大儒俠』を初めて台湾の地上波テレビで演出しました。新鮮な音楽と雅な口白、息もつかせぬストーリー展開に驚くべきライティングと音響効果を加えたこの作品は、4年間途切れる事なく583話を放映し、台湾全省で97%という高い視聴率を打ち立てました。しかし1974年、政府は「中国語の推進」及び「農工の正常な作業を妨害する」との理由で、『雲州大儒俠』を含む全ての布袋劇番組を地上波テレビで放映する事を禁止する法令を出したのです。

1980年代中期、黄家四代目となる黄強華と黄文擇は、父黄俊雄の『雲洲大儒俠』シリーズを受け継ぎ、今に名を轟かせる霹靂布袋劇を創設しました。
伝統的な台湾布袋劇劇団とその観客の大幅な減少とは対照的に、テレビ布袋劇は1980年代に大きく発展、黄強華、黄文擇兄弟は1988年ビデオレンタル、セルビデオマーケットに「霹靂」シリーズ布袋劇を展開し、強力なコンテンツに進化しました。

0923event6『古代ロボットの秘密』は『聖石傳說』(2000年)以来映画制作を行っていなかった黄家五代目黃亮勛が企画した中華圏史上初となるMIT(Made In Taiwan)3D布袋劇映画。企画立ち上げから完成までに3年の月日をかけ、総製作費は3億台湾ドル(約11億円)。布袋劇の観客層を拡大する事を最大の目的に、霹靂布袋劇シリーズとは異なる新キャラクター、新しいストーリーで制作を行いました。大きな変革としてあげられるのは、大量のCGを使用したこと、そして「台湾語」から「中国語」にトライした部分です。しかし残念ながら台湾語の布袋劇に慣れ親しんだ台湾の観客の皆さんからの反発は根強い状況です。
メイキング映像でリアルな製作のご苦労などに、観客の皆さん深く頷いていらっしゃいました。

0923event7『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』は2014年、台北アニメ漫画フェスタに「Fate/Zero」小説の宣伝で台湾を訪れた虚淵玄氏が霹靂展示会をご覧になり、アナログな人形劇の映像美とアクションに惚れ込んだことからスタートした日台合同企画作品です。これまでに2016年テレビシリーズシーズン1、2017年『劇場版生死一劍』、そして2018年10月1日よりテレビシリーズシーズン2がスタートするシリーズ作品です。
こちらも予告編やシーズン2のオープニング映像をご覧いただきました。

0923event8この後行ったQ&Aでは、『古代ロボットの秘密』の続編と日本でのDVDリリースについて質問がありました。
本作はもともと二部作を予定していたそうですが、第一部の本作で大幅に予算をオーバーしてしまったため、続編の資金がなくなり断念した状態だそうです。
そして日本でのDVDリリースもまだ予定がないというのが、とても残念です。

それにしても、毎週60〜70分の新作を2本製作して、コンビニでDVDが発売されている霹靂布袋劇の人気の凄さには驚きます。しかもこの購買層は10代〜30代がメイン。テレビの専門チャンネルでは毎日24時間放送され、配信チャネルもあるのになぜDVDが売れるかと言うと、“早く最新版を見たいから”。テレビや配信は3週間〜4週間後になるのだそうです。
この製作体制は昼夜2班に分かれ、雲林の虎尾にある広大な霹靂のスタジオで作られています。このスタジオの話も少ししていただいたのですが、本当に素晴らしいワンダーランドです。私の取材体験も少しお話ししたところ、観客の皆さんからスタジオ見学ツアーを希望する声も上がりました。

0923event9日台コラボの『Thunderbolt Fantasy東離劍遊紀2』は、10月1日(月)より以下のように放送・配信開始です。

TOKYO MX:毎週月曜22時
BS11:毎週月曜24時30分
サンテレビ:毎週月曜25時30分

バンダイチャンネル

また、『Thunderbolt Fantasy東離劍遊紀2』放送開始直前特番が、9月30日(日)22:00よりバンダイチャネル他にて随時配信されること、そして霹靂国際マルチメディアのヒーロー素還真を主人公とした新作映画の予定もあることが明かされました。

0923event10あっという間に時間は過ぎていき、まだまだ質問の手がたくさん挙がっていたのですが、時間いっぱいとなり抽選会へ。
今回は、霹靂からいただいた『Thunderbolt Fantasy東離劍遊紀』台湾版DVDBOX、『Thunderbolt Fantasy 生死一剣』DVD、『奇人密碼』サントラ、『Thunderbolt Fantasy 生死一剣』日本語パンフレット、『古代ロボットの秘密』クリアファイル、『Thunderbolt Fantasy東離劍遊紀』非売品写真集を計11名の方にプレゼントしました。

さらに、コスプレーヤー達がお客様のお見送り&写真撮影というサービスもしてくれて、イベントは終了しました。
多大なご協力をいただいた偶動漫娛樂股份有限公司と霹靂國際多媒體股份有限公司に、心から感謝します。

0923event11次回は11月29日(木)19時から、台湾ドキュメンタリー界を代表する楊力州(ヤン・リージョウ)監督による、2009年に台湾の中南部および南東部で発生した水害の直後、子ども達と外国人花嫁たちが村人を勇気づけて復興に向かった感動のドキュメンタリー『明日へのタッグ(原題:拔一條河)』です。
詳しくは10月中旬にご案内しますので、どうぞお楽しみに!

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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コメント

いつも素敵な企画をありがとうございます。
シークレットゲストに興奮し、プロデューサーの西本さんが江口さんのインタビューで通訳をされている西本有里さんと知り、またまた興奮でした。
江口さんの痒い所に手が届くインタビュー。知りたいこと、読み手が思いつかないような深い質問は、俳優、監督が、この人には伝えたられる!と、本気で話されているのがわかるインタビューでいつも感動ものです。
また、西本さんの的確な通訳で自分の中国語の勉強をさせていただいています。ずっとプロの通訳の方だと思っていました😆
今回の布袋劇、作家の東山彰良さんの小説のモチーフになっていたので興味がでたところに、ピッタリのタイミングでのイベント、ラッキーでした。
家でThunderbolt fantasy を観ていると、子供達が豪華な声優陣に驚いていました。
ありがとうございました!


投稿: 田丸三保子 | 2018/09/24 14:16

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