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2018/12/29

2018年の中国映画を振り返る

1229honghai年末恒例の中国語圏映画のまとめ、まずは映画産業世界一となった中国から。
スクリーン数でアメリカを抜いた中国は、今年上半期についに興行収入でも世界一になり、12月22日時点で590億元ですから、まもなく600億元(約9643億円)に届くと言われています。
その2018年のトップは『紅海行動(オペレーション:レッド・シー)』で、36.51億元(約587億円)。『湄公河行動(オペレーション・メコン)』に続く林超賢(ダンテ・ラム)監督によるミリタリーアクションです。
日本では9月に公開されましたが、昨年の『戦狼/ウルフ・オブ・ウォー』同様話題も成績もそれほどではありませんでした。

1229yaoshin旧正月映画『唐人街探案2(僕はチャイナタウンの名探偵2)』、王宝强(ワン・バオチャン)と劉昊然(リウ・チェンラン)の凸凹コンビによるコメディ仕立てのミステリーのパート2が、堂々の2位。日本から妻夫木聰も参戦しています。
3位の『我不是薬神(ニセ藥じゃない)』はコメディタッチでありながら正義のヒューマン・ドラマで、金馬奨で文牧野(ウェン・ムーイエ)監督が新人監督賞、徐崢(シュー・ジェン)が主演男優賞を獲得しました。

0519houlai4位の『西虹市首富』は遺産相続にまつわるコメディ、5位は梁朝偉(トニー・レオン)が出演したことでも話題になった『捉妖記2(モンスターハント2)』、台湾の女優で歌手の劉若英(レネ・リウ)が監督デビューした『後來的我們』が6位に入っています。
7位もコメディ『一出好戲』、黄渤(ホアン・ボー)が監督・主演、舒淇(スー・チー)がヒロインです。

1229shadow8位の『無雙』は香港映画にカウントしますので、時空を超えた男女のラブ・コメ『超時空同居(ルームシェア~時を超えて君と~)』をこの位置に置きます。
9位は警察と強盗のチェイスをコミカルに描いた陳建斌(チェン・ジェンビン)主演の『無名之辈』、10位は章子怡(チャン・ツィイー)、黄暁明(ホアン・シャオミン)、王力宏(ワン・リーホン)、張震(チャン・チェン)主演の歴史ヒューマンドラマ『無問西東』でした。但しこの作品は精華大学出身の偉人たちをモチーフにした創立100周年記念映画なので、興行収入においてやや違う意味を含む数字なのかも知れません。
この次の張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『影』はまだ公開中なので、もしかしたらベスト10に食い込んでくるのか、興味深いところです。

右肩上がりの中国映画ですが、そんな中で夏に話題になったのが歴史的な興行不振で公開3日で打ち切りになった映画です。市場最大の7億5000万人民元(約126億円)をかけて制作された、ファンタジー映画『阿修羅』です。
チベット仏教の神話に着想を得た壮大な3部作の第1部でしたが、悲惨な結果を迎えました。

1229jinpa一方の世界の各映画祭に出品されたアート映画の方は、王家衛(ウォン・カーウァイ)がプロデュースした萬瑪才旦(ペマツェテン)監督の『撞死了一隻羊(轢き殺された羊)』が、ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門で上映され、脚本賞を受賞。中国では未公開です。
賈樟柯(ジャ・ジヤンクー)監督の『江湖儿女』はカンヌ国際映画祭や金馬奨でノミネートされましたが、ヒットせず。
世界が注目する若き天才畢贛(ビー・ガン)監督の『地球最後的夜晚(ロング・デイズ、イントゥ・ナイト)』は金馬奨で撮影・音楽・音効の三賞を獲得して12月31日から公開されますので、結果が興味深いです。

1229daxianそして、ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し、世界各国の映画祭で上映され金馬奨では作品賞と脚色賞を獲得している『大象席地而坐(象は静かに座っている)』のことに触れておきたいと思います。
日本でも東京フィルメックスで上映されましたので、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
この映画は中国の華北の小さな町を舞台に発展する中国の影の部分を描いたアート映画で、4時間という長尺にこだわった胡波(フー・ポー)監督がプロデューサーとの意見の食い違いが発端で問題が起き、完成後に29歳という若さで自らの命を絶った為処女作にして遺作となってしまいました。

世界各国で評価を得た本作はプロデューサーから監督の両親に権利を譲渡され、中国で唯一上映されたFIRST影展の最高執行責任者である高一天(ガオ・イーティエン)のサポートにより、イギリス(12月)、フランスと台湾(1月)、アメリカ(3月)で公開が決まっています。

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