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2019/08/25

台湾映画上映&トークイベント〜台湾映画の"いま" 〜オリジナリティと未来へ向けて 姜秀瓊(チアン・ショウチョン)監督を迎えて短編映画と金馬電影学院(ワークショップ)の現状に高い関心!

0729info 8月24日に行いました台湾映画上映&トークイベント〜台湾映画の"いま" 〜オリジナリティと未来へ向けて第6回は、昨年の金馬影展のワークショップで製作された『冰箱(冷蔵庫)』『對講機(インターフォン)』と、2008年の舒米恩(スミン)主演『跳格子』の短編3作を上映しました。
そして、ワークショップの指導監督を務めた姜秀瓊(チアン・ショウチョン)監督を迎え、中国語圏の若手クリエイター育成を目的としたワークショップ金馬電影学院について、お話しを伺いました。
今回も満員のお客様で、日本ではなかなか馴染みのない短編映画と若手クリエイター育成のワークショップ「金馬電影學院」について、アンケートでも「貴重な話を聞くことができた」「若手育成に力を注ぐ台湾映画界はすごい」などたいへん興味深く聞いていただけたようです。

0824event1 まず、台湾の短編映画事情についてご説明しました。
台湾の映画祭、金馬影展や台北電影節では短編映画の上映が多く、チケットがあっという間に売り切れます。その理由は劇場で公開されることがあまりなく映画祭が貴重な機会であること、新しい才能=監督や俳優に興味津々であることです。
若いクリエイターはまず製作費が少なくてすむ短編を作り、それがプロデューサーの目にとまり長編デビューへのきっかけになることが多いからです。
『星空』の林書宇(トム・リン)、『太陽の子』の鄭有傑(チェン・ヨウジエ)、『紅衣小女孩』の程偉豪(チェン・ウェイハオ)、今日のゲストの姜秀瓊監督もそうです。

0824event2 そして、今年の台北電影奨で最高賞の100万元を獲得したのも黃邦銓(ホアン・パンチュアン)監督の短編映画『去年火車經過的時候』でした。
そして、短編映画の出演者も期待の若手が多く、桂綸鎂(グイ・ルンメイ)、莫子儀(モー・ズーイ)、張榕容(チャン・ロンロン)、張書豪(チャン・シューハオ)らが、同じ年の短編に何作も出ていたことがあり、皆その後大きく羽ばたいています。
原石がささやかな光を見せ始める…こういうところを逃したくないので、台湾の映画ファンも私も必死にチケットを取るのです。

0824event3 金馬影展(映画祭)のワークショップ「金馬電影學院」は2007年に創設され、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督が学院長をつとめています。
毎回中国語圏の各国から選抜された若い脚本家、カメラマン、監督など10〜12名が台湾に集まって約一ヶ月、互いに刺激し合い創意を発揮して指導監督のもとで短編映画を製作し、それが金馬影展=映画祭で上映されます。
指導監督は、台湾映画界で活躍する監督が毎回担当し、広く中国語圏から著名な映画人の講師も招いています。

0824event4 金馬電影學院への参加は、35才以下ですでに短編映画を2本以上作った経験がある中国語圏のクリエイターというのが応募資格。2018年の場合は約200名の応募者の中から書類、作品による選考で絞られ、最終面接で12名が選ばれました。
その12人が6人ずつ姜秀瓊監督と黃信堯(ホアン・シンヤオ)監督の2組に別れて、すでに学院サイドで決めたネット小説の原作を映画化しました。
俳優もあらかじめ学院が決定した連俞涵(リエン・ユーハン)と温貞菱(ウェン・チェンリン)という若手の人気女優が主演。彼女達は単に演技をするだけでなく、一緒に作り上げるというスタンスで参加し、とても良い経験だったと語っていたそうです。

ここで、「金馬電影學院」のメイキング映像學院篇をごらんいただきました。
※インターネットで公開されている無字幕の映像はこちらです。
https://www.facebook.com/watch/?v=298053657502093

0824event5 実は、この2作それぞれに指導監督が俳優として出演もしています。
姜秀瓊監督はもともとキャストが決まっていた役を、学生達のリクエストによりご自身が演じることになったそうです。
「黃信堯監督には死体の役をやってもらったのですが、最終的にカットされました」と、おもしろいエピソードも披露してくれました。

0824event6 金馬電影學院は毎年情熱あふれる若きクリエイターたちが集まって作品を作る為、白熱した討論が展開され、時には激しい言い争いになることが多いそうですが、昨年はそういうことがなかったそうです。
「ラッキーと言うか、残念というか…」と監督は笑っていました。
そのような熱い1ヶ月を過ごし作品を完成させた達成感は、それぞれの良い経験と共にその後の人世にも大きな影響をもたらしたようです。

ここから巣立っていった多くの若きクリエイターのその後、という映像も見ていただきました。
※インターネットで公開されている無字幕の映像はこちらです。
https://www.facebook.com/watch/?v=1211305619049246

0824event7 趙德胤(チャオ・ダーイン)や陳哲藝(アンソニー・チェン)らの学生時代、そして指導する楊雅喆(ヤン・ヤージャ)監督ほかの顔ぶれを見ていると、台湾映画史の一端を表す1本の素晴らしいドキュメンタリーのようです。
すでに活躍している人、自分を見つめ直して次のステップへ向かう人などそれぞれですが、昨年の金馬奨で作品賞と脚色賞を受賞した中国の胡波(フー・ボー)は、残念ながら他界してしまいました。彼の残した唯一の映画『大象席地而坐(象は静かに座っている)』は、11月2日より東京のシアター・イメージフォーラムほかで公開されます。4時間という長尺ですが、ぜひご覧になっていただきたいと思います。

0824event8 侯孝賢監督が韓国の釜山映画祭のワークショップを見て台湾でも…と作った金馬電影學院の10年が果たした役割の大きさを再認識すると共に、今後も新しい才能の発掘と開花に向けて更なる発展をと祈ります。

 

0824event9 この後は、姜秀瓊監督の歩みを紹介し、色々お話しを伺いました。
監督が映画の仕事に就くきっかけとなった『牯嶺街少年殺人事件』への出演は、大学で演劇を学んでいた時にエキストラの募集を見てぜひ楊德昌(エドワード・ヤン)監督の現場を見たいと思い応募したそうです。
「私の穏やかさがこの役にピッタリだということで、キャスティングされました。監督からは特に要求もなく、とても優しく指導してくれました」と言っていましたが、その後クリエイターの道を選び『エドワード・ヤンの恋愛時代(原題:獨立時代)』や『ヤンヤン夏の想い出(原題:一一)』の製作スタッフをしていた時は、かなりたいへんだったようです。

0824event10 楊德昌組を離れ侯孝賢監督のもとで『フラワーズ・オブ・シャンハイ(原題:海上花)』や『ミレニアム・マンボ(原題:千禧曼波)』の助監督を経験し、台湾を代表するふたりの監督の現場を経験したことは、得がたいものだったと言っていました。
2002年に『三方通話』で監督デビューし、2004年ドキュメンタリーの短編『ㄋㄟ ㄋㄟ』(Breast)に続いて、2008年『跳格子』で多くの受賞を果たし注目の監督となりました。
憧れの人のために駐車スペースを確保するレッカー車の作業員のハートウォーミングなストーリーは、この日の観客の皆さんからも高評価でした。

0824event11 そして公共電視の電視電影『艾草』も海外のアワードでたくさん受賞し、2009年監督の名を不動のものにしたドキュメンタリー『風に吹かれて−キャメラマン李屏賓の肖像(原題:乘著光影旅行)』を香港の関本良(グァン・ベンリャン)と共同監督で撮り、台北電影獎で最高賞の百萬元首獎、長編映画賞、編集賞を獲得、東京国際映画祭でも上映されました。

※アジアンパラダイスのインタビュー記事とPodcast
2010/11/07
「風に吹かれて−キャメラマン李屏賓の肖像」Q&Aと監督インタビュー
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2010/11/post-18a1.html
2011/02/21
Podcast 東京国際映画祭「風に吹かれて-キャメラマン李屏賓の肖像」Q&A前編
http://asianparadise.sblo.jp/article/43529947.html
2011/02/28
Podcast 東京国際映画祭「風に吹かれて-キャメラマン李屏賓の肖像」Q&A後編
http://asianparadise.sblo.jp/article/43618631.html

0824event12 近年では、2015年に台湾人として初めて日本映画の監督としてオファーを受け永作博美主演の『さいはてにて やさしい香りと待ちながら』を手がけました。
これは日本映画ではありますが、台北電影奨で永作博美が日本人初の主演女優賞を受賞、監督が代理でトロフィーを受け取りました。

※アジアンパラダイスのインタビュー記事とPodcast
2015/02/16
姜秀瓊(チアン・ショウチョン)監督インタビュー in 台北
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2015/02/podcast-in-7a07.html
2015/02/16
Podcast 台湾の姜秀瓊(チアン・ショウチョン)監督インタビュー パート1
http://asianparadise.sblo.jp/article/113800513.html
2015/02/23
台湾の姜秀瓊(チアン・ショウチョン)監督インタビュー パート2
http://asianparadise.sblo.jp/article/114154141.html

時間の関係で終盤は駆け足になってしまいましたが、今回はトークの時間も長く記事で全てをお伝えすることができませんので、近々Podcastで配信します。

0824event13 最新情報は、台湾の夏休み映画から張榮吉(チャン・ロンジー)監督の青春映画『下半場』。
バスケットボールにかけた高校生たちを描いた熱血編です。昨年監督と会った時に少し試合シーンの映像を見せてもらったのですが、なかなかの迫力でした。
兄弟の葛藤などの人間模様が、どのように描かれているのかとても興味深いです。
日本でも『HIStory2-越界』で注目された范少勳(ファン・シャオシュン)ほかフレッシュな男の子達が大挙出演するので、こちらも楽しみです。

0824event14 続いて日本では、9月14日から16日まで仙台短篇映画祭2019が開催されます。
台湾映画は短編ではありませんが16日に黃熙(ホアン・シー)監督の『台北暮色』が上映されます。
台北の住宅地を舞台に都市で生きる人々の孤独が繊細なタッチで描かれた、味わい深い映画です。
自分のことで恐縮ですが、16日にこの上映に合わせて私が台湾映画についてお話しすることになっています。
東京の公開時に見逃した方は、連休の東北旅行を兼ねて行かれるのも良いのではないかと思います。
仙台短篇映画祭2019公式サイト http://www.shortpiece.com

そして、恒例の抽選会では、監督が台湾から持って来て下さった『風に吹かれて−キャメラマン李屏賓の肖像(原題:乘著光影旅行)』と『跳格子』のDVDを10名の方にプレゼントしました。

0824event15 最後になりますが、5月にここで上映した『念念』の日本公開が決まりましたので、いち早く今日のイベントで発表しました。
5月のイベントでこの作品を見て気に入って下さったA People Cinemaの配給で、秋に渋谷・ユーロスペース他、全国順次公開となります。
この台湾文化センターのイベントから公開に繋がった作品は、『藍色夏恋』のリバイバル公開に続き2作目となります。
多くの皆さんにご覧いただけることになり、とてもうれしく思います。詳細情報は、随時お知らせしていきますので、ぜひ劇場へ足をお運び下さい。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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