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2019/10/04

公開中の台湾映画『バオバオ フツウの家族』謝光誠(シエ・グアンチェン)監督インタビュー in 台北

1004xie5 絶賛公開中の台湾映画『バオバオ フツウの家族』は、毎週末に豪華ゲストを招いてのアフタートークが行われていますが、この二組の同性カップルが子供を持ちたいという願望から展開するこのヒューマン・ストーリーを監督したのは、本作が長編劇映画第一作になる謝光誠(シエ・グアンチェン)です。
インタビューしたのは、7月の台北。初めてお会いした監督は、ほとんどの台湾映画人に共通するフレンドリーであることに加えて、包み込まれるような優しさを持った方でした。

1004xie2 ロンドンに留学してCMや短編、ドキュメンタリーを撮っていたり、イタリアの映画祭で受賞歴のある方なので、なんとなくちょっととっつきにくい感じがあるのかな、と思っていたのですが、その予想は全く覆されました。
取材部屋に入って来た瞬間にほんわかした空気が漂い、「はじめまして」というより、「お久しぶりです」と言いたいほどの親近感。
まずは、監督が本作を演出することになった経緯から伺い、オリジナルの脚本からの改編について伺いました。
オリジナルは台湾で新人登竜門として一番大きな脚本賞のコンペである「徵選優良電影劇本獎」に応募した台湾大学大学院に在学中だった鄧依涵(デン・イーハン)の脚本『我親愛的遺腹子』で、プロデューサーのリン・ウェンイー(林文義)が目を留めて映画化に到ったものです。

1004xie3 この「徵選優良電影劇本獎」は毎年グランプリ(1作)、特別、優秀あわせて20作が選ばれるのですが、選ばれた脚本は公式サイトで公開され誰でも閲覧できるというすてきなシステムです。ですから、まず事前にこのオリジナル脚本を読みました。
オリジナルでは、女性同士のカップルが妊娠して台湾に戻ってきて、この子をどうするかということから物語が始まり、幼なじみの警官との関わりや親との確執などが描かれています。
映画化にあたりどうして男性カップルが設定されたのかをお聞きしたところ、監督は「その答えの前に、まずはオリジナルの脚本を読んでいるということに驚きました。ありがとう」と言われました。
台湾でも多くの取材を受けたそうですが、オリジナル脚本を読んでいる記者は皆無だったとか。「この私のうれしい気持ちをぜひ記事にも書いて下さい」と言われ、パンフレットに書くわけにはいかないので、ここで監督との約束を果たします。

1004xie4 そして、その答え。監督は、女性同士のカップルがどうやって子供を授かったのかということがポイントになると思い、男性同士のカップルを設定して、彼らとの協力関係で妊娠をするという方向でロンドンでの生活から始めようと思ったそうです。
さらに質問を進めていくうちに、あっという間に予定の時間になってしまい、監督にこの後の予定をお聞きすると「大丈夫、このまま続けましょう」と言って下さいました。
とは言うものの、そこは貸し会議室なので、こちらの予約の延長ができるかどうか、監督に待ってもらいスマホで確認。その間監督は「もしこの部屋が使えなかったら、下のコンビニ(のイートインスペース)でもいいよ。なんだったら路上で立ち話でもかまわない」とおっしゃって下さいます。
なかなかいないですよね、こういう方は。

1004xie1 無事に予約は延長できて長時間お話しをうかがうことができたのですが、本当に素敵な監督でした。
キャストの蔭山征彥さんも、監督について「俳優を尊重し自由にやらせてくれて人望もあるし、将来僕が監督になったらこうありたいと思いました」というのも納得です。
インタビューの詳細は、劇場で販売しているパンフレットに全て書きましたので、映画を見てからぜひお読み下さい。
映画をご覧になって、あれ? これって…?など疑問に思われたところがわかると思います。
このパンフレット、最近珍しい「台詞一覧」付きです。ほかにも柯奐如(クー・ファンルー)や蔭山征彦のインタビュー、解説ほか書かせていただきましたので、お読みいただければうれしいです。

謝光誠(シエ・グアンチェン)監督の『バオバオ フツウの家族』は、新宿Kʼs cinemaで公開中、10/12(土)から名古屋の名演小劇場、10/19(土)から横浜シネマリンと大阪の第七芸術劇場、神戸アートビレッジセンターは11月予定、京都みなみ会館も近日予定となっています。
ぜひお近くの劇場でご覧になって下さい。

◆謝光誠(シエ・グアンチェン)プロフィル
1969年生まれ
台湾大学社会学部卒業、1999年ロンドン国際映画学校卒業。台湾へ戻ってCMや短編、ドキュメンタリーを撮る。短編『夏日酷暑的輓歌』が2004年にイタリアFANO映画祭のコンペティションで審査員賞を受賞。2015年、 『進擊的煉乳』がアメリカFilm Crash international Film Festivalの短編部門のグランプリ獲得、台湾最大のインディペンデント映画祭「台灣城市遊牧影展(Urban Nomad Film Festival)」の大遊牧獎を受賞した。
本作が長編の第一作。

0418baobao1 『バオバオ フツウの家族』
監督:謝光誠(シエ・グアンチェン)≪第1回長編監督作≫
出演:雷艾美(エミー・レイズ)、柯奐如(クー・ファンルー)、蔭山征彦(カゲヤマ ユキヒコ)
蔡力允(ツァイ・リーユン)、楊子儀(ヤン・ズーイ)
2018年/台湾/97分/1:1.85/原題:親愛的卵男日記 英題:BAOBAO
配給:オンリー・ハーツ/GOLD FINGER
協力:GENXY/ビームス 後援:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター
©Darren Culture & Creativity Co.,Ltd

公式サイト:http://baobao.onlyhearts.co.jp
公式Twitter https://twitter.com/baobao_movie
公式FB https://www.facebook.com/映画バオバオ-フツウの家族--622693198246328/

※これまでの『バオバオ フツウの家族』に関する記事

2019/09/28
台湾映画『バオバオ フツウの家族』蔭山征彦が初日舞台挨拶!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2019/09/post-21cb48.html

2019/04/18
台湾映画『親愛的卵男日記』が『バオバオ フツウの家族』の邦題で9月日本公開決定! メインキャストの柯奐如(クー・ファンルー)と蔭山征彦が来日、先行特別上映も!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2019/04/post-2d5d34.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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