« 中国映画『巡礼の約束』2月8日(土)より岩波ホール他にて全国順次公開! | トップページ | 2019年の香港映画を振り返る! »

2019/12/29

2019年の中国映画を振り返る!

0529tff3 今年も中国映画市場の勢いは止まらず、興行成績は昨年の609億を超え650億に届こうとしているそうです。
興行収入トップ10のうち8本が国産映画で、一位はアニメの『哪吒之魔童降世(ナタ~魔童降臨~)』、当初はダークホースと言われながら口コミで広がり歴代の2位という凄い成績を上げました。
そして、この監督である餃子(ジャオズ) をはじめ、2位の『流浪地球(流転の地球) 』の郭帆(フラント・グォ)監督、『飛馳人生』の韓寒(ハン・ハン)監督、『少年的你』の曾国祥(デレク・ツァン)という新世代の監督の作品がトップ10に入っており、世代交代の年であったことも特徴。

しかし一方で国際的には王小帥(ワン・シャオシュアイ)監督の『地久天長』で、王景春(ワン・ジンチュン)と咏梅(ヨンメイ)が今年のベルリン国際映画祭でそれぞれ最優秀男優賞と女優賞を受賞するなど、ベテランが評価されています。

映画祭や映画賞という部分では、今年は色々ありました。
ベルリン国際映画祭で張藝謀(チャン・イーモウ)監督の『一秒鐘』が上映4日前に突如“技術的な問題”の為参加を辞退。本当の原因は文化大革命を題材にしたことだと言われ、公開の見通しは立っていません。
そして、昨年の授賞式で領土問題をめぐる発言により金馬奨への不参加を決定し、金鶏奨の授賞式を金馬奨の同日に設定するなどの対抗措置をとったのも大きな話題になりました。
金鶏奨では、ベルリンの受賞者ふたりがそのまま主演男優賞と主演女優賞となり、『地久天長』は脚本賞を獲得。
作品賞は『流浪地球(流転の地球)』、監督賞は『紅海行動(邦題:オペレーション:レッド・シー)』の林超賢(ダンテ・ラム)監督に輝きました。

一方、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督が創設したアート・フィルムの映画祭、平遥(ピンヤオ)国際電影展が三年目を迎え、新しい才能が続々と生まれています。今年は『日光之下』が、ロベルト・ロッセリーニ 審査員賞を受賞、監督の梁鸣(リャン・ミン)は監督賞も獲得。
男優賞は『海面上漂过的奖杯』の王学兵(ワン・シュエビン)、この作品はスペシャル・メンションも受賞。Hidden Dragons賞に叶謙(チン・イエ)監督の『蕃薯浇米』が選ばれました。
また、新人クリエイターを発掘する西寧FIRST青年電影展では、顾晓刚(グー・シャオガン)監督の『春江水暖』が作品賞、黄梓(ホアン・シー)監督の『慕伶,一鸣,伟明』が審査員賞、俳優賞に『离秋』の刘德基(リウ・ダーチー)などが選出されました。

◆2019年中国映画トップ8
1位『哪吒之魔童降世(ナタ~魔童降臨~)』※歴代2位 中国映画週間で上映
  監督:餃子(ジャオズ)  
  英雄となるはずだった主人公が世を混乱に陥れる魔王になる運命を背負うことに…。
2位『流浪地球(流転の地球)』※歴代3位 中国映画週間で上映 Netflixで配信中
  監督:郭帆(フラント・グォ)主演:呉京(ウー・ジン) 
  巨大化する太陽から逃れ太陽系から移動する地球をヒーロー達が救う人気SF小説を映画化
3位『我和我的祖国』※歴代8位
  監督:陳凱歌(チェン・カイコー)ほか 主演:黄渤(ホアン・ボー)ほか
  7人の監督と、オールスターによる歴史的出来事を綴った中国建国70年記念映画。
4位『中国機長(高度一万メートルの奇跡)』※歴代10位 中国映画週間で上映
  監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)主演:張涵予(チャン・ハンユー) 
  1万mの上空でトラブルに見舞われた機長の勇気を描いた実話を基にしたヒューマンストーリー。
5位『疯狂的外星人』
  監督:寧浩(ニン・ハオ)主演:黄渤(ホアン・ボー)
  動物園の飼育員が地球外生物を救い故郷へ帰そうとするコメディ。
6位『飛馳人生(ペガサス 飛馳人生)』※日本公開済み
  監督:韓寒(ハン・ハン)主演:沈腾(シェン・トン)
  カーレースの世界で頂点を目指す男たちのバトルと親子愛を描く。
7位『烈火英雄(烈火英雄 ~戦士達に贈る物語~)』※中国映画週間で上映
  監督:陳国輝(チェン・グオフェイ)主演:黄暁明(ホアン・シャオミン)
  港湾地域で配管破裂により大火災が発生、消防士達の決死の消火活動を描く。
8位『少年的你』
  監督:曾国祥(デレク・ツァン)主演:周冬雨(チョウ・ドンユィ)
  飛び降り自殺した親友のために校内暴力の真相を暴こうとする少女は…。

興行成績の良いビッグ・バジェットの大作や愛国映画は日本でも東京国際映画祭の提携企画「中国映画週間」で上映されましたが、監督や俳優が登壇するセレモニー付き以外は客席は埋まらなかったようです。

0711tff3 興行成績にはランクインしていませんが、数々の賞に輝いた『地久天長』は、30年に渡りふたつの家庭を軸に親子や夫婦の人間模様を描いた素晴らしい作品です。
詳しくは後日記事をアップしますが、4月に日本公開が決まっています。
興味を持たれたら、台北電影節での上映レポートをご参照下さい。

2019/07/11
台北電影節 クロージングは中国映画『地久天長』、王小帥(ワン・シャオシュアイ)監督登壇!
http://asian.cocolog-nifty.com/paradise/2019/07/post-079c0b.html

そして、アートフィルムの方は大阪アジアン映画祭で上映されることが多いので、2月のラインナップ発表を待ちましょう。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

|

« 中国映画『巡礼の約束』2月8日(土)より岩波ホール他にて全国順次公開! | トップページ | 2019年の香港映画を振り返る! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 中国映画『巡礼の約束』2月8日(土)より岩波ホール他にて全国順次公開! | トップページ | 2019年の香港映画を振り返る! »